キーワードは止められない「ニア上」 元日本代表GKが見たリーガ最多34得点のMVP候補スアレスの凄み
GKは横よりも縦の動きに弱い!?
GKは言うまでもなく、ゴールマウスを守る最後の壁である。唯一ピッチ内で手を使用できるポジションであり、手足全体を使ったファインセーブで相手エースの一撃を防がなければならない。そんなGKにも泣き所がある。
「シュートを防ぐときには、基本的には2分の1の選択肢で考えます。もしグラウンダーのシュートだったら足でセーブするし、身体の横に来るシュートなら手で弾きにいく。でも頭より上に来るボールって反応しにくいものです。GKからすると腕を横に伸ばすのではなく、縦に伸ばすことになる。実際に腕を動かしてみてもらえば分かると思うのですが、横よりも縦の方が明らかに動かしづらいんですよね。つまり、スアレスは『GKのいわば弱み』を知っている。だからこそ、天井を打ち抜くシュートを打ってくるんです」
横への反応よりも上への反応は難しいというGKの弱点を熟知しているという。確かにスアレスはGKが間合いを詰めてきても、お構いなしとばかりにニア上を狙うシュートを放つことがある。また2014-15シーズンのラージョ・バジェカーノ戦では右足アウトサイドで相手GKの肩口を破る超技巧の一撃を決めたこともある。土肥氏はスアレスの貪欲さにも注目すると同時に、日本人選手の傾向についてもこう言及している。