浦和主将MF阿部、チーム今季初ゴールもドロー発進に悔しさ 「楽しかったけど…」
2017年以来のキャプテンに就任し、後半29分にチーム今季初ゴールを記録
浦和レッズの主将MF阿部勇樹は、27日のJ1リーグ開幕戦FC東京戦にスタメン出場し、後半29分にチーム今季初ゴールをマーク。しかし、その後に追いつかれて1-1の引き分けで終わり、「楽しかったけど、勝利を取りたかった」と悔しさをにじませた。
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リカルド・ロドリゲス新監督を迎えた新シーズン、阿部は2017年シーズン以来のキャプテンに就任。今季開幕戦ではダブルボランチの一角を務めた。マイボール時には最終ラインを出入りしつつ、機を見て前線に進出するプレーを披露。そして、相手ボール時には危機察知能力の高いプレーにより中盤でのフィルターになった。
今年9月に40歳を迎える選手とは思えない躍動感を見せた阿部は、「監督が代わっての開幕戦、やってきたことをピッチで出そうと思った。そして、出せた部分が多かったと思う。準備して、対策してやってきたことがしっかり試合に出せた。積み重ねたものを出せた部分があるし、監督がやりたいサッカーができた部分もあるし、楽しいと思った」と、試合を振り返った。
後半29分には、コーナーキックのこぼれ球を押し込んでの先制ゴールを奪取。これで23シーズンにわたってのJ1出場となり歴代最多記録も樹立した。その秘訣を「家族の存在もありますし、レッズはいろいろな方がサポートして応援してくれてパワーをくれる。なんとか恩返しできれば、という思いがモチベーションになる。笑顔が見られるように頑張りたいという気持ちがある」と、新型コロナウイルスの影響により上限5000人の環境でプレーしたなかでも、浦和サポーターや関係者への感謝を話した。
チーム内で唯一、浦和が初めてAFCチャンピオンズリーグ(ACL)を制した2007年シーズンを知る。そこからイングランドに移籍した時期もあったが、浦和で良い時期も苦しい時期も過ごしてきた。そうした歴史を知りつつ、「サッカーは楽しいと感じながらプレーできたのが大きい」と、新鮮な気持ちでこの開幕戦をプレーした。
1981年生まれで、いわゆる「谷間の世代」と呼ばれた仲間たちは、多くがすでにピッチを去った。昨年には「あがかなきゃいけないかな」とも話した阿部。それでも、ピッチ上で見せるプレーは決して年齢を感じさせない。
新監督の下で内容の良いゲームをできたことの喜びはありつつ、「楽しかったけど、勝利を取りたかった」という言葉は浦和で数々のタイトルを経験してきたプライドの一端か。今季は、阿部が中心に周囲が躍動する浦和の姿が見られそうだ。
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(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)