浦和ロドリゲス新監督、勝利を逃して反省 「ダメージを与えられるような決定機を」
ポゼッションとプレスをすり込んだ新スタイル 先制するも終了間際に無念の失点
浦和レッズのリカルド・ロドリゲス監督は、新天地初陣となった2月27日のJ1リーグ開幕節・FC東京戦で1-1の引き分けに終わり、「勝ち点3を取れなくて残念。それに値する内容は見せてくれたと思う」と話した。
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徳島ヴォルティスを4シーズン率いたロドリゲス監督は、今季から浦和に就任。1月18日の始動から、ここ数年はボール保持率の低いサッカーをしていたチームに、攻撃的なポゼッションサッカーを浸透させるべく積み上げを行ってきた。開幕戦のスタメンに流通経済大から加入したルーキーMF伊藤敦樹、FC琉球から加入のMF小泉佳穂、栃木SCから加入のMF明本考浩を起用して新鮮さを出しつつも、今年9月に40歳を迎える主将のMF阿部勇樹も起用するなど、経験と勢いをミックスしたメリハリのあるメンバーを並べた。
その浦和は前半からボールポゼッションを高めて敵陣に入り込み、ボールを奪われても素早く奪い返しにいくプレスでカウンターの芽を摘んだ。そのプレーに指揮官も、「ここまでの準備期間、1試合目にしてはものすごく理解度が高くて表現できることが多かった。カウンターを止める秘訣は良い攻撃にある。適切な立ち位置で良い攻撃をすれば、抑えることができると思っている。もちろん、しっかり寄せるところはできていたと思う」と納得の表情だった。
そうしたなかで後半29分には、セットプレーからこぼれ球を阿部が押し込んで先制。しかし、その阿部が足をつり、「交代をどうしようかというバタバタ感は見えてしまったかもしれない」と悔やんだ時間帯に、逆にセットプレーから同点弾を決められてしまった。
ロドリゲス監督は、このゲームに対して悲観する要素よりも、前向きなものが多くあったことを話している。
「試合に関しては支配できたと思う。すごく良かったと思うけど、相手にダメージを与えるような決定機を作れれば。2点目を決めるチャンスを決められなかったのは残念。FC東京に対して、チャンスを与えないところまでできていた。勝ち点3を取れなくて残念。それに値する内容は見せてくれたと思う」
課題を挙げるのなら、ボール保持率やパス本数に対してのシュートや決定機が流れのなかからまだ生み出しきれていないこと。ロドリゲス監督も「いくつか押し込んだ状態での崩し、パターンの練習は必要になる。これを続けていきながら積み上げていくことが必要だと思っているので、やっていきたい」と語った。
とはいえ、浦和はエースFW興梠慎三が昨季最終戦の負傷で手術を行ったところから復帰が近づいている。最終的にゴールを奪うところでの質が高まれば、2年連続でリーグ戦を二桁順位で終えたところからの復活に近づいていきそうな気配だ。
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(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)