「サッカー辞めたい」 今野泰幸、2度の大怪我から“完全復活”の誓い「絶望だった」
【今野泰幸インタビュー|第1回】19年に腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けた今野が大怪我を振り返る
頼れるベテランがピッチに戻ってきた。J2ジュビロ磐田の元日本代表MF今野泰幸が復活を誓った。「Football ZONE web」のインタビューにオンラインで応じ、移籍後に見舞われた2度の大怪我を振り返った。28日にFC琉球との開幕戦を控えるなか、絶望を味わった選手生命を脅かす負傷から完全復帰。今季にかける熱い思いを明かした。(取材・文=Football ZONE web編集部・小杉 舞)
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「辛かった。長い間ガンバにいた後、ジュビロに移籍してきて、貢献したい気持ちで入ってきたのに、何も果たせないまま大怪我をしてしまい、本当に申し訳ない気持ちだったし、リハビリも長かった。復帰してからもなかなかコンディションが戻らなかったので、そういった意味でもチームには申し訳ない気持ちだったし、辛い時期を過ごしました」
2019年夏、今野は一つの大きな決断を下した。7年半在籍したガンバ大阪から磐田への完全移籍を決意。だが、年末に悪夢が待っていた。腰椎椎間板ヘルニア、嚢腫により大手術を受けた。練習合流までには4~5カ月かかる見込みとされ、磐田での2年目となった20年シーズンの開幕は絶望となった。
「腰のヘルニアはだいぶ大きな手術で、大怪我だったので、このまま復帰できるのかという不安もあったし、年齢も年齢なので葛藤はあった。このままやり続けていいのか。オフシーズンは、また本来の自分に戻れるのかという不安があった」
アスリートにとって重要な腰の怪我に見舞われ、一時は現役引退も頭をよぎった。当時は37歳を迎える直前。高いボール奪取力、タイトな守備力が持ち味の今野にとっては、これまでのプレースタイルに戻れるのか、将来の見通しが立たなくなった。だが、絶望の淵に追いやられた今野の背中を押したのはやはり家族だった。
「やっぱり家族の存在は大きかった。辛い時期でサッカーを辞めたいという気持ちもあったけど、家族が支えになってくれて。特に俺、サッカー辞めたら何もできることないから(笑)。奥さんにも『サッカー辞めて何するの?』と言われて……『もう1回頑張ってみたら?』と。息子たちも僕がサッカーしている姿が好きなので、そういう思いも聞いてもう1回やってみようという気持ちになった」
それでも、待っていたのはいばらの道だった。コロナ禍のなか、開幕から長期間に及ぶリハビリは想像以上の苦しみ。19年に移籍後、5試合に出場したものの不完全燃焼のままシーズンを終えて臨んだリハビリ。精神的なダメージは大きかったが、再び支えとなったのは仲間の存在だった。