葛藤、そして決断 鄭大世を現役続行に導いたモノ「泥水をすすってでも続けたい」

「いっぱいゴールを決めて、勝って、喜んで、楽しい思い出を共有しましょう」

 町田加入にあたっては、奇しくも、同じ北朝鮮代表として戦った経験を持ち、昨季限りで現役を引退したMF李漢宰氏と入れ替わる形となった。熱くソウルフルなプレーを信条とする共通点もあり、その姿を重ね合わせるファン・サポーターも少なくない。ただ、鄭大世自身は「僕は漢宰さんと比べられるような人間じゃない」と話す。

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「プロに強く憧れたのは、2005年2月のワールドカップ最終予選・日本戦で漢宰さんや安英学さんがプレーする姿を見てからです。漢宰さんは三都主(アレサンドロ)とマッチアップしていて。あの時の強烈なインパクトは一生忘れられません。漢宰さんとタイプ的には似ていると思います。負けん気が強くて、熱血漢。でも、漢宰さんは良い方向の熱さで、よっぽど人間ができている。僕はさんざん人に迷惑をかけてきたので(苦笑)。FWはゴールを決めるポジションで、エゴイスト・自己中心的じゃないとできない。すぐに人に迷惑かけるんですよ。漢宰さんと比べていただけるのは嬉しいし、思いを引き継ぐと言えば綺麗だけど、自分はそんな人間じゃないと思います」

 プロ16年目、勝負のシーズンに挑むが、鄭大世は「目標はありません」と敢えて言い切る。その真意は――。

「今日のこと、それが終わったら明日のこと、その積み重ねだと思います。目標を設定して、どういう行動をとっていくか布石を打っていくのがスタンダードですが、昔からやってきて、自分にはそれが合わない。『得点王』と言って、ゴールを取れない時期に直面したら、焦って普段のプレーができなくなる。変に自分にプレッシャーをかけないようにしています。今年は町田のサポーターの皆さんと、一緒に喜びを分かち合いたい。いっぱいゴールを決めて、いっぱい勝って、いっぱい喜んで、楽しい思い出を共有しましょう」

 クラブ史上初のJ1昇格を見据え、鄭大世は先頭に立ってチームを牽引していく。

※取材はビデオ会議アプリ「Zoom」を使用して実施。

[PROFILE]
鄭大世(チョン・テセ)/1984年3月2日生まれ、愛知県出身。川崎―ボーフム―ケルン(ともにドイツ)―水原三星(韓国)―清水―新潟―町田。J1通算181試合・65得点、J2通算63試合・35得点、北朝鮮代表通算33試合・15得点。敵を弾き飛ばす驚異的なフィジカルと、闘争心あふれるプレーでゴールを陥れる“魂のストライカー”。2010年の南アフリカ・ワールドカップに出場するなど、豊富な経験を新天地・町田の勝利のために還元する。

【試合情報】
開催日:2021年2月28日(日)
カテゴリー:J2リーグ第1節
対戦カード:FC町田ゼルビア vs モンテディオ山形
キックオフ時間:14:00
試合会場:町田GIONスタジアム

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試合情報はこちら
https://www.zelvia.co.jp/news/news-168403/
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(FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)



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