2021年J1リーグ、必見の「移籍組7人」 復活を期す“天才”や未完の大器が新天地へ
20チーム編成の今シーズン、新天地を求めたなかから注目の7選手を紹介
2021シーズンのJ1リーグがいよいよ26日に開幕する。新型コロナウイルスの影響を受けて20チーム編成となった今季は、例年以上に厳しい戦いが予想されるが、各チームは積極的な戦力補強を進めてきた。今オフに新天地を求めた実力者や新外国籍選手たちのなかから、「必見の7人」を紹介する。(文=河治良幸)
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■山本脩斗(鹿島→湘南/DF/35歳)
良い内容のサッカーをしても結果がついてこないという、湘南ベルマーレの大きな課題を解決する一つの鍵になりうる。早稲田大からジュビロ磐田に6年間、鹿島アントラーズに7年間在籍して、国内三大タイトルを4つ、2018年には鹿島でAFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)優勝に大きく貢献している。湘南にはFW石原直樹やMF梅崎司と言った経験豊富な選手もいるが、山本のような常に優勝争いをしてきた選手がいなかった。
35歳ながら怪我が少なく、純粋に戦力としても十分な働きが期待できる。鹿島では左サイドバックがメインだった山本。3-5-2の場合は左のウイングバックと3バック左での起用が想定されるが、安定したビルドアップと湘南の最終ラインに足りなかった高さを補う意味で、3バック左から攻守に効果的なサポートをしていくことになりそうだ。空中戦の強さはセットプレーからの得点を増やす効果も期待できる。
■ファン・ソッコ(清水→鳥栖/DF/31歳)
サガン鳥栖の新加入選手としては数少ないJ1経験の豊富な選手だが、金明輝監督は実際に手元で指導してみて加入前に増してJリーグ屈指のセンターバックとの認識を強めたという。サイドバックをこなせるスピードがあり、人にも強い。さらに戦術理解力が高く、ハイラインをベースとした鳥栖のスタイルにも素早く順応しているようだ。
キャプテンを務めるDFエドゥアルドとのセンターバックコンビは、攻守にアグレッシブなスタイルの生命線になりそう。ともに外国籍選手でありながらJリーグ在籍年数も長いため、周囲とのコミュニケーションに問題はない。左右の足を駆使した正確なパスでもアグレッシブな鳥栖のサッカーを支えるはずで、後方からのゲームコントロールが勝利の鍵を握る。
■片山瑛一(C大阪→清水/DF/29歳)
卓越した身体能力と戦術理解力を兼ね備える”ロティーナの申し子”が、清水エスパルスに加入した意味は非常に大きい。4-4-2のゾーンディフェンスと幅広い攻撃を組み合わせるロティーナ監督の戦術をチームに浸透させるのは簡単ではないが、最終ラインに片山がいることで早い段階からの底上げが期待できる。
複数のポジションをこなすマルチロールであり、開幕前の時点では左サイドバックの主力として予想されるが、チーム事情に応じて右サイドバック、3バック採用時には左右のウイングバックとセンターバックの両方で起用が可能だ。またロングスローという飛び道具もあり、様々な形でチームを支えていくはずだ。
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。