今度は蚊の洗礼 U-21日本代表韓国大会選手村の設備不良で宿敵イラク戦を前に寝不足の危機
続くピッチ外の試練
韓国•仁川で行われるアジア大会に参加しているU-21日本代表が、17日のイラク戦を前に選手村のインフラ整備の不良により、今度は“蚊の洗礼”を受けていることが発覚した。寝不足を訴える選手も出ている。
イラク戦を控えた若き日本代表は、選手村から約40分の距離にある安山市内の練習場で約1時間半のトレーニングで汗を流した。
この年代は2012年のAFC、U-19アジア選手権準々決勝でイラクに1-2で敗れ、U-20W杯出場権を逃している。1月のU-22選手権でも準決勝で0-1と敗戦を喫した。その因縁の相手との対戦の前に、毎夜、煩わしい強敵と戦っているというのだ。FC東京のMF野沢英之がこう告白した。
「蚊がやばいんです。夜、窓を開けると入ってくる。気になって眠れません。来てから10カ所ぐらい刺されました。もう、大分治ってきたかな」
窓を開けっ放しで寝たことは、単なるイージーミスなどではない。この大会後に分譲マンションとして販売される予定の新築の選手村の設備面不備によってそうしなければならなかったのだ。
気温25度以上でまだ蒸し暑さも残る仁川だが、選手の部屋にはエアコンが設置されておらず、就寝時の暑さによる体力の消耗を防ぐには窓を空けるしか手だてがない。だが、部屋の窓には肝心の網戸がなく、蚊の羽音に睡眠を邪魔されながら体中を刺されるしかない状況だ。寝不足も無理はない。
初戦で先制弾を決めた川崎MF大島僚太も手を10カ所以上さされ、「一晩でこうなりました」と苦笑いを浮かべている。
この選手村ではトラブルの連続だ。クーラー設備はなく、初戦クウェート戦で2ゴールを決めた新潟FW鈴木武蔵の部屋の風呂は排水機能が故障している。宿舎のエレベーターは故障し、選手たちは22階の居室まで汗だくになりながら、上り下りしている。
ピッチ上以外にもトラブルだらけの韓国で必死に集中を保とうとするヤングジャパン。敵地での過酷な洗礼の数々を乗り越え、たくましく成長することを期待したい。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web