【金J特集】「弱点はあまりない」 仲川輝人、開幕戦で激突する川崎を称賛「本当に上手い」
仲川少年が「あんな選手になりたい」と考えたヒーローは?
子どもの頃に憧れたヒーローは、2002年に日韓ワールドカップで日本中にフィーバーを巻き起こした、元イングランド代表のデイビッド・ベッカムだ。当時の子どもたちが“ベッカムヘア”に憧れたように、当時小学5年生だった仲川少年も、「あのモヒカンヘアに憧れていたし、すごくかっこいいなあって思っていました」と目を輝かせていた。
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「さすがに当時は勇気がなくてベッカムヘアにはできなかったですけど(笑)、どうしたらあんなにかっこよくなれるのかなあ、あんな選手になりたいなって考えていました。当時所属していたチームで、僕自身もFKを担当していたんです。だからベッカムのFKにも憧れて、グラウンドにあるコンクリートの壁に向かってひたすらシュート練習をしたり、FKの練習ばっかりしたりしていましたね」
仲川少年が、かつてそうだったように、令和のサッカー少年たちもJリーガー・仲川輝人に憧れを抱き、誰かのヒーローになっているのではないだろうか。その問いに、「全然なれていない、まだまだ」と仲川は否定する。
「劣勢に立ったり、相手にペースを握られている時だったりでも、ワンチャンスで点を取って勝利に持っていく。そういったプレーができる選手が、自分のなかではヒーローに近いのかなって感じています。やっぱり苦しい時にチームを助けられる選手は、すごくヒーロー感が強い。確かに、2019年にマリノスが優勝した時の自分はヒーローに近いのかもしれないけど、自分だけじゃ成し遂げられなかったですからね。チームの支えがあって、自分も生き生きと楽しくサッカーができていた。それが相乗効果を生んで優勝につながったと思うんです。だから、もっともっと(自分が)チームを助けないといけないですよ。攻撃でも守備でも。理想も目標も高く持って、そこに一歩ずつ近づけるように努力する。それを自分のなかでは大切にしています」
すべては“王座奪還”のために――。“自分たちのサッカー”を追求しつつ、勝利も求める。指揮官も、選手も決して妥協を許さない。
「フロンターレを倒さないとチャンピオンになれない」
コロナ禍でのレギュレーション変更により、今年のJ1は20チームで戦い、4チームが降格する。決して楽なシーズンではない。「厳しいリーグが始まるけど、そのなかでも自分たちのスタイルを貫いて、もう一度、J1王者になるためにチームとして1試合1試合成長していかないといけない。今年は全試合出場を目指していますし、昨年怪我で達成できなかった目標の23ゴールに到達できるように1試合1ゴールを目標としてやっていくつもりです」と決意を口にした。
“ヒーローは遅れてやってくる”――。怪我で遅れを取った昨季の借りを返すべく、2021年の仲川輝人は準備万端だ。
[プロフィール]
仲川輝人/1992年7月27日生まれ、神奈川県出身。川崎フロンターレU-15、U-18、専修大学を経て、2015年に横浜F・マリノスに加入。翌年にはFC町田ゼルビア、2017年アビスパ福岡への期限付き移籍を経て、2018年に横浜FMに復帰。2019年には自身最多15得点を挙げてチームの優勝に貢献すると同時に、Jリーグ得点王とMVPに輝いた。裏への抜け出しとスピードが持ち味のウインガー。