川崎の中盤に君臨した“新司令塔” MFシミッチは王者のスタイルに順応できるか
新加入助っ人が富士ゼロックス杯で先発出場、鬼木監督からは厳しい要求も…
川崎フロンターレに移籍加入したブラジル人MFジョアン・シミッチは、20日に行われた富士ゼロックス・スーパーカップのガンバ大阪戦で新天地デビューを果たした。スタメン出場して後半途中までプレーすると、「自分の今出せることは出して力になれたと思う」と、3-2で勝利した試合を振り返った。
シミッチは2シーズン在籍した名古屋グランパスから完全移籍で加入。このデビュー戦では中盤の中央でプレーした。両チームでのプレーについて「フロンターレは前を意識しながら攻撃的でボールを保持しながらプレーする。名古屋は少しディフェンシブなスタイルだった。個人的に言えば、監督によく要求されるのはバランスを取って攻守に積極的にやること。それを練習から取り組んでいる」と話している。
そうしたなかで、最終ラインのすぐ前でボールを引き出しては正確なパスで展開し、ボールロストしそうな感じを受けない安定感のあるプレーを見せた。この日2得点のMF三笘薫も、「パスの精度がとても高く、裏への動きも見てくれてやりやすい。彼とプレーすることで、もっと前に押し込んだ形や得点チャンスは増やせると思う」と期待を寄せている。
スタメン起用に踏み切った鬼木達監督は「どれだけボールに多く触ってコントロールできるかというところが、彼の特徴。もっとボールに絡んでいってほしい。練習が始まった当初より良くなっている。ボールを離した後にもう一度受けられる場面や、寄り過ぎるところなど細かいところはあるので修正していきたい」と厳しい要求も話したが、「真面目でいろいろな要求に応えようとしてくれるので、一つひとつ乗り越えてくれると思う」と、今後さらに良さを出すことを期待している。
川崎は昨季まで中盤で絶大な存在感を放った元日本代表MF中村憲剛が現役を引退し、MF守田英正はポルトガルのサンタ・クララへ移籍。さらに今季はMF大島僚太も出遅れている。それでも、シミッチはデビュー戦ながら昨季に記録的な勝ち点を奪って優勝した“完成されたチーム”に、すんなりと入っていきそうなプレーを見せた。