規律違反に助っ人移籍… 浦和にいきなり試練、“1トップ問題”をどう乗り越える?
武藤や新加入の明本が1トップでどれだけの働きができるかは未知数
今季の浦和は前線に課題を抱えている。エースのFW興梠慎三は昨季のリーグ最終節(北海道コンサドーレ札幌/0-2)で右腓骨筋腱脱臼の怪我を負い、オフに手術を実施。全治3カ月と診断されたなか驚異の回復力を見せ、17日の練習では鋭い動きを見せていたが多くは期待できない。
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最前線でストライカーとしてプレーできるのは、浦和加入から2年連続でリーグ戦2ゴールと苦しんでいるFW杉本健勇のみだが、キャンプ中にMF柏木陽介とともに外食し、規律違反による厳重注意と罰金の処分を受けた。すでにトレーニングには戻っているものの、13日に行われたSC相模原とのトレーニングマッチでは主力組で戦った1本目ではなく2本目で起用されている。
杉本がチーム内での立場はこれから取り戻さなくてはいけない状況にある一方、2シャドーの一角が本来のポジションになるFW武藤雄樹や新加入のFW明本考浩が1トップの位置でどれだけの働きができるかは未知数だ。
浦和は2018年、前年のアジア制覇に貢献したブラジル人FWラファエル・シルバがキャンプ入り後に中国への移籍が決まり、3月にオーストラリア代表FWアンドリュー・ナバウトを緊急補強したものの、シーズン序盤に大きく躓いた。昨季は第2次キャンプ中にオーストラリア五輪代表で主将を務めるDFトーマス・デンを獲得したが、今季はそうしたスクランブル補強が行われるのかどうかは定かではない。
先月のロドリゲス監督就任記者会見の際、西野努テクニカル・ダイレクターは「移籍期間は定められたものがある。夏も含め、この冬も4月の頭まで(4月2日)あるので、可能性としては、必要な時期に必要なことをするというところに全力を尽くすということは変わらない。その方針で、今年もチーム作りをしていく」と話した。また、戸苅本部長も「補強は常に準備しているので、継続して考えて動いている」と、視野に入っていることは明らかにしている。
しかし、欧州など世界的に冬の移籍市場は1月末で閉じているところが大半であることから、相手先クラブにとって代替選手を確保できないタイミングになる。ましてや、チーム全体の浮沈を握る最前線のストライカー獲得は簡単ではない。そして、海外から選手を獲得した場合には2週間の隔離期間があり、さらにその後にコンディションの向上とチーム戦術への順応を図ることになる。このタイムスケジュールで選手を獲得しても、補強の効果がどこまで発揮されるかは疑問だ。
クラブが打ち出した3年計画の2年目にロドリゲス監督を招聘し、飛躍を期した浦和だがシーズン開幕前から最前線の顔が定まらないピンチを迎えている。27日のリーグ開幕戦まで2週間を切った中で、攻撃サッカーに重要なフィニッシャー問題にどのような解決策を見つけることになるのだろうか。
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(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)