横浜FC移籍の高橋秀人がカズや中村俊輔から気づかされたこと 「考え方自体が間違いだったと…」
プロ11年のキャリアで衝撃を受けた選手とは?
J1リーグでこれまで248試合に出場している高橋にとって、対戦相手として衝撃を受けた選手は誰だろうか。「あまりいないけど……」と前置きしたうえで、柴崎岳と遠藤保仁の名前を挙げた。「対峙する相手を見透かしているというか、足を出せばボールは取れない、行かなかったらパスを出すし、シュートを打ちますよ、という目線の配り方がダントツですね」とその理由を明かしたが、もう1人、「もう一回対戦したいと思っているけど、引退されちゃったから……」と惜しむように挙げたのが中村憲剛だった。
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「ボールを取りに行けば、別に俺はボールを受ける気なんてないし、という駆け引きがすごかった。昨シーズンで引退されてしまいましたけど、そういう駆け引きの部分が毎回やりづらかったけど、ある意味、楽しかった」
中村憲はプロ生活のすべてを川崎とともに過ごしたが、移籍を経験することでプラスになることもある。高橋自身はいろいろなクラブに行くことで「自分も変われるチャンス」だと捉えている。
「同じクラブに長く在籍してキャリアを築くことも大事だし、凄いことですけど、移籍して違う環境のなかでも、厳しい環境のなかでも、自分をアピールするというのはやらないといけないことで、そこもまた楽しめているかなと思います。近道はないので、一つのプレーや一つの結果で、一喜一憂したり、批判されたり。僕たちは評価される立場ですが、そこはあまり気にせず、ある意味批判されてナンボだし、何を言われても、たとえ勘違いされたとしてもしょうがなくて。そこから得られるものもあると思うんです。そこに気づけるようになったので、今はちょっとだけ肩の力が抜けていますね」
3度の移籍を経験し、さまざまな経験をしたことで、高橋は近道がないことを悟った。そして「一歩ずつ歩いていくしかない」と考えられるようになったことが、「成長の証」だという。
「プロなので結果がすべて。そこは揺るぎないけど、そこよりも大事にしないといけないのは、プロとして結果を残すためのプロセス、過程なんです。結果は蓋を開けてみないと分からないところもある。でも、過程というのは実は本質の部分。これまでの指導者たちに教えていただいたことって、その時々は上手く消化できなかったけど、その後、遠回りしていろいろな経験をすることによって、最終的には本質に戻ってくるんだと思うんです。僕の好きな言葉で『一事が万事』ということわざがあるのですが、サッカーで学べていることが、違うところでも生きてきたりする。それを今感じられていることも、楽しいなって思えるようになりました。ルーキーの頃は『サッカー選手をやめたい』『いつでもやめていいや』って思っていたけど……」