横浜FC移籍の高橋秀人がカズや中村俊輔から気づかされたこと 「考え方自体が間違いだったと…」

横浜FCでプレーするFW三浦知良、MF高橋秀人、MF中村俊輔【写真:Getty Images & ⒸYOKOHAMA FC& 高橋 学】
横浜FCでプレーするFW三浦知良、MF高橋秀人、MF中村俊輔【写真:Getty Images & ⒸYOKOHAMA FC& 高橋 学】

今季横浜FCに加入した高橋秀人をインタビュー、「地に足がついたビジョン」に共感

 プロ12年目となる2021シーズンを、元日本代表MF高橋秀人は新天地で迎えることになった。昨シーズンに負った怪我の影響でリハビリからのスタートになり、「完全にはまだ馴染んでいない(苦笑)」と苦戦しているようだが、それでも横浜FCに加入した意義をすでに感じている。今オフの移籍を決断した理由、そして三浦知良や中村俊輔など偉大なキャリアを歩んだ選手の姿から気づかされたことを明かしてくれた。

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 昨年暮れ、横浜FCから発表された移籍加入のリリースには「クラブのビジョンに共感した」と記載されていたが、高橋は「クラブとしての目標があって、それを成し遂げるためにいつまでにこれをする、という計画があるなかで、今年はこれをする、という決して夢物語ではない、地に足がついたビジョンを持っていて。現状をきちんと見据えているなと感じたので、そこに共感したんです」と決断の理由を明かした。

 さらに、横浜FCが本拠地とする神奈川県には3度のJ1リーグ王者となった横浜F・マリノス、川崎フロンターレに加え、“湘南スタイル”という独自のスタイルを持つ湘南ベルマーレもある。同じJ1で戦うクラブとして、横浜FCの色をどうつけていくか、他クラブとどう差別化を図っていくのか、「横浜FCが輝くために君の力が必要だ」と言ってもらえたことも背中を押した。

 もちろん、下平隆宏監督が志向するサッカーに対しても「魅力的で可能性が無限大にある」と感じているし、「カズさん(三浦知良)、俊さん(中村俊輔)、(南)雄太さんなど、プロとして最前線で長いキャリアを積んでいる人がどういう姿勢で、どういう結果の残し方をしているのかを学びたかった」という考えもあった。

 というのも、昨年まで過ごしたサガン鳥栖では若い選手が多く、高橋は“ベテラン”のカテゴリーにいた。知らず知らずのうちに「教えなきゃいけない立場にある」と構えてしまっていた。しかし、横浜FCでの立ち位置は“中堅”。「でも、そんなのは関係なかった。1人の選手としてサッカーを本当に楽しんで、追求して、自分の体と向き合うことをベテランがしていた。鳥栖時代に思っていた『教えなきゃいけない』っていう考え方自体がそもそも間違いだったんじゃないか。すでに今、それに気づけているので、それすらここに来て良かったと思っています」と少し肩の荷を下ろした。

 三浦、中村俊、南といったベテラン選手から学ぶことは、まだまだ多い。

「年齢はあくまでも、ベテラン、中堅、若手といった記号でしかない。サッカーがやりたいなら何歳でもやれる。プロサッカー選手という側面から見ても彼らは本当に今なお追求し続けていますし、本当に楽しそうにサッカーボールを蹴っているんです。サッカーを始めた頃の純粋に楽しむサッカーと仕事としてのサッカー、それを両輪でやり続けるのがプロなのかなと。それが、彼らを見ていて感じた僕なりの答えというか、今もまだ学んでいるところです」

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