南野が「プレミアA級ゴール」で示した資質 王様待遇で躍動、“無”から生んだ個人技弾

ゴールを重ねることで得られる自信が南野の将来を大きく変える

 それにしても、南野の身体能力はこれほど高かったのか。これも昨季のプレミア王者の中で1年間鍛えられた成長の証なのか。まるでマネを彷彿させるようなゴールだった。これで日本代表MFが、サウサンプトンで今後のスタメンを確定させたと言っても過言ではないだろう。

 気の早いファンは、もうすでに今季終了後にリバプールに戻ってからどうなるかという話を始めているかもしれない。しかし南野はその前に、ハーゼンヒュットル監督に与えられた自由を最大限に生かし、この4カ月間でアタッカーとしての本領を発揮することが不可欠だ。

 プレミアで実戦を積み、一つでも多くのゴールを重ねる。イングランドの最高峰の舞台でゴールを決めるという体感を重ねることでしか得られない自信。それが南野の将来を大きく変える糧となるのである。

森 昌利

もり・まさとし/1962年生まれ、福岡県出身。84年からフリーランスのライターとして活動し93年に渡英。当地で英国人女性と結婚後、定住した。ロンドン市内の出版社勤務を経て、98年から再びフリーランスに。01年、FW西澤明訓のボルトン加入をきっかけに報知新聞の英国通信員となり、プレミアリーグの取材を本格的に開始。英国人の視点を意識しながら、“サッカーの母国”イングランドの現状や魅力を日本に伝えている。

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