バルサ戦で衝撃ゴラッソ! フットサル海外組、“芸術ボレー弾”を自己解説「時が止まった」
瞬間的な判断でプレーを選択「右方向にボールを蹴れば何かが起こるかなと」
「同じことをやれと言われても、できないというか、難しいなと考えてしまいますね」と、清水自身が振り返るゴールは、どのような認知、判断、決断のもとで生まれたのか。自ら解説をしてもらった。
「もともと(味方の)GKとは、しっかりとボールを取ったら走るということを決まり事のように話していました。あの時は、ちょうど僕のマーカーだった選手のシュートをGKがキャッチしたんです。キャッチした瞬間に、僕が勢い良くスタートを切ったのですが、マークに付いていた選手は、ほとんど並走している状態でした。スタートは僕のほうが早かったので、『並走しているなら、ぶっちぎれるな』と思ったんです。ただ、単にまっすぐ裏のスペースへ走るのではなく、あえてコートを横切りました。右サイドから走り始めて、左サイドに横切るように斜めに裏のスペースへ走ったんです」
1タッチでシュートを打つ場合、右利きの清水は左サイドに走ったほうがボールに合わせやすい。だが、まだこのタイミングでは1タッチシュートを考えてはいなかったという。左前方のスペースへ走り出したのは、別の理由からだった。
「相手が(CKから)ボレーシュートを打ったのが、自分たちがゴールを背にして攻めている時に右側のサイドでした。そこにシュートを打った選手がいたので、必然的に左側が空くことになります。そっちに行けばシュートが打ちやすい、なおかつシュートを打てる位置までは距離があったので、時間が稼げるという意味で横切る選択をしたところにパスがしっかり出てきました」
GKがボールを投げた瞬間も、清水は複数の選択肢を持っていた。
「ボールが出てきたタイミングでは、『一回、コントロールしようかな』と思っていたり、『GKが出ているなら、1トラップしてゴロの速いシュートも打てるかな』と思ったりしたのですが、ボールをコントロールしてしまうとディフェンダーが到着してしまう可能性もありました。『だったら、(1タッチで)逆サイドにシュートを打てたらいいな』と思い、ダイレクトで打ちました」
走りながら、自分が選べる選択肢を頭に浮かべつつ、相手GKのポジションも確認していた。
「走っている時に間接視野で『前に出ているな』と認識しました。ただ、GKの情報は本当にそれだけでしたね。それ以外は、どこにいるかも分からなかったです。あとは予想ですね。GKも常にゴールの正面には立てません。僕が右から左に横切ったことで、GKの重心も左にかかっているかなという予想はしていたので、右方向にボールを蹴れば何かが起こるかなという感じでしたね」
そしてシュートの際のイメージについては、「本当に逆サイドに打つことだけを考えて足を出して、ボールを方向転換させたところ、上手くGKが下がるタイミングとも合って、あっちのほうに決まった感じでした。厳密に、あそこを狙ったというわけではなかったですね。とにかく逆サイドにシュートを打つイメージは持っていました。勢いはそこまで強くなかったのですが、GKのタイミングも外れて、しかも『まさか』という形の意外性が良かったんじゃないかなと思っています」と、説明している。