渡欧10年の日本人MF、コロナ禍のルーマニアで奔走 “村クラブ”救済へ全力を注ぐ理由
ルーマニア3部エゼリシュのMF川越武典、クラブ救済へクラウドファンディングを開始
東欧ルーマニアでプレーする1人の侍が、新型コロナウイルスの影響で苦しむクラブを救うために立ち上がった。同国3部エゼリシュのMF川越武典は、昨年12月にクラブの活動資金を募るために日本でクラウドファンディングを開始。熱烈オファーで獲得してくれたクラブへの恩返しのために奔走している。
ルーマニア3部リーグはプロ・アマ混在のいわゆるセミプロリーグ。エゼリシュもプロ契約は川越をはじめ数人のみだ。コロナのパンデミックによるリーグ規模の縮小、無観客試合やスポンサー撤退による収入減で選手の給与をまともに払えない状況に陥った。それは当然、選手たちのモチベーション低下にも繋がった。
さらに昨年10月には、川越を含む複数選手が新型コロナに感染。泣き面に蜂となる主力選手の離脱でチームは低迷した。現在リーグ戦では10チーム中9位に沈んでおり、目標のリーグ昇格はおろか、降格の危機に追い込まれている。
そんな窮地に、川越はクラブ会長からの提案を受けて資金援助のためのクラウドファンディングを開始した。平均月収5万円と言われるルーマニアで、クラブを立て直すための目標金額は100万円。集まった資金はコロナ禍で2週に1回義務付けられているPCR検査の費用のほか、医療スタッフや選手との契約に充てられる。
また、支援の金額に応じてユニフォームなどのクラブグッズや川越によるサッカーの出張指導、ユニフォーム胸スポンサーとなる権利といったリターンが用意されている。
川越は「このプロジェクトをできるだけ多くの方々に知っていただき、目標を達成するために皆さんのご協力をいただければなと思います」と支援を呼びかけている。