「厳しい状況」と本田の現在地を語るミラン番記者 ブロッキ新政権に潜む”イタリア純血主義”の影響も指摘

「よく走る選手だがファンタジアはない」

「ブロッキの頭の中にあるアイデアは”ミラン・イタリアーノ“。イタリア人によるミランを作りたいんだと思う。だから前線はボナベントゥーラとバロテッリ、そこに(コロンビア代表FWの)バッカが加わる形だ」

 ブロッキ新監督は元イタリア首相のベルルスコーニ会長が掲げる「スタメン全員イタリア人化」という純血主義の理想も継承していると、ウッチェロ氏は指摘する。トップ下を置くシステムの採用のみならず、選手の人選にも名物会長が大きな影響を与えている現状は、”イタリア人ではない”本田にはとても厳しい状況だ。

「本田はよくやっているが、ミハイロビッチも本田の良さを最大限引き出せていなかったと私は思う。よく走る選手だが、彼にはファンタジア(創造性)はない。ボナベントゥーラに比べると、ね」

 イタリア人選手が優遇されるチームのなかで、攻撃陣の”助っ人”としてチャンスを得るには、ゴールに直結するような局面で違いを生み出すしかないが、現状の本田のプレーでは新監督にインパクトを与えられていないという。もちろん、これで本田のシーズンが終わるわけではないと、ウッチェロ氏は続ける。

「ミランは今週、試合の日程が詰まっている。本田にもプレーするチャンスが訪れるのではないか。そこで良いパフォーマンスを見せられれば、ヒエラルキーを壊せると思う。メネズはまだコンディションが良くない。ボアテングもいるが、私はやはり本田は3番手ではなく、現時点でもボナべントゥーラの次に来る2番手ではないかと思っている。(サンプドリア戦も含めて)1週間に3試合あるから、そのうちの1試合では確実に出場機会があるだろうね」

 ミランは21日に本拠地でカルピ戦、そして25日に敵地べローナ戦を控えている。過密日程の影響により、本田にはトップ下の序列を崩すチャンスが意外に早くやってくると、ミラン番記者は睨んでいた。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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