「リスペクトの文化で生きてみたい」 スペイン人監督、Jリーグ挑戦の理由告白
新潟のアルベルト監督、母国紙のインタビューで来日までの経緯に言及
J2アルビレックス新潟のアルベルト・プッチ・オルトネダ監督は、来日2シーズン目を迎える。かつて、名門バルセロナの育成組織スカウトやダイレクターを務めた経歴を持つスペイン人指揮官は母国メディアのインタビューの中で、Jリーグで指導キャリアを積むことを決断した経緯や理由を明かしている。
【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから
スペイン出身のアルベルト監督は、地元クラブのアカデミーコーチなどを経て、バルセロナのスカウト、アカデミーコーチ、アカデミーダイレクターとして名門を支え、アカデミーダイレクター時代には日本代表MF久保建英(ヘタフェ)やスペイン代表FWアンス・ファティ(バルセロナ)を発掘。その後、アメリカ1部MLS(メジャーリーグ・サッカー)ニューヨーク・シティでコーチを務め、昨年から新潟の指揮官へ就任した。
就任1年目の昨シーズンは14勝15分13敗の11位でフィニッシュ。新シーズンも続投が決定しているなか、母国紙「スポルト」のインタビューに応じ、日本で指導キャリアを積むことを決断した経緯や理由などを明かした。近年のJリーグには、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督(清水エスパルス監督)やリカルド・ロドリゲス監督(浦和レッズ)などのように、同胞指揮官が多く指導しているが、アルベルト監督は日本への興味があったようだ。
「(ニューヨーク・シティ時代の監督だった)ドメネク・トレントがプロの世界への扉を開いてくれたんですが、彼と一緒にいた時に、アジア大陸に行ってみたいと言ったんです。日本にあったリスペクトの文化の中で生きてみたいと思い、久保をバルセロナに連れてきてくれた人に電話をして、何か選択肢があるかどうかを伝えました。1週間後には、興味のある社長がいることを教えてくれて、その社長が(トレントと一緒にいた)ニューヨークに来てくれて、2週間後には次のシーズンに向けて合意に達しました」
Jリーグ初挑戦への舞台裏を明かしたアルベルト監督は、インタビューで「1年目は日本のような異なるサッカーに適応するのにとても苦労した」とも告白。新型コロナ禍によるリーグ戦中断を余儀なくされるなか、Jリーグ特有の戦いに苦戦した事実に触れている。それでも、「8月、9月、10月の数カ月間、私たちはとても魅力的なゲームを作りました。ポジショナルで攻撃的なゲームで、通常はもう少しダイレクトなサッカーが多い日本で、なんとかトレンドを作ることができた」という。
新シーズンに向けて「主な目標は昇格ですが、クラブもファンも、新しいゲームモデルでベースを作り、一戦一戦を積み重ねていくことが先決だと理解してくれていると思う。私にとっては、このスタイルで将来を保証する非常に強固なベースを作ることのほうが重要だと思っています」と、意欲を示したアルベルト監督。目先の結果だけにとらわれず、チームの将来を見据えた強化に励むことも誓っていた。
(FOOTBALL ZONE編集部)