「漢の中の漢」と呼ばれたワケ 李漢宰、キャリア20年に詰まった情熱と感謝の思い
2021年からJ1クラブへの案内人「クラブナビゲーター」に就任
「たくさんの方々には、僕の名前である李漢宰の『漢(ハン)』にかけて、『漢の中の漢』と言っていただいたのは嬉しかったです。すごく気に入っていましたし、僕も『漢ならば』という思いでやってきました。熱いハートは自分の最大の武器。ただ、言うのは簡単ですけど、実際に表現するのは難しい。偽りの物だと、ずっと続けることはできません。思いを常に持ち続けるからこそ、自然と体からにじみ出るものだと思うので、情熱は誰にも負けないつもり、いや、誰にも負けない自信を持ってこの20年間、Jリーグの舞台で戦ってきました。それは、最後まで自分らしくやり続けられたんじゃないかなと思います」
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昨季限りで現役を引退した李漢宰は、2021年シーズンからクラブスタッフとして再びFC町田ゼルビアと歩みをともにする。新たな肩書きは「クラブナビゲーター」。苦しみながらも進んできたクラブの歴史や想い、経験をチーム内外へ発信し、クラブのさらなる成長に尽力する、“J1クラブへの案内人”の大役を担う。
「最初にナビゲーターと聞いた時、衝撃を受けたというか、心に響きました。このような役職を与えてくださったクラブ関係者の皆様、大友(健寿)社長をはじめ、今後自分がお世話になる方々に感謝を申し上げたい。僕にとっても新たなチャレンジになるので、至らない点もたくさんあると思いますけど、『貪欲に挑戦しつつ、すべてのことを学び、自分の力に変え、微力ながらクラブに貢献できる存在になりたい』というのが自分の掲げた目標です。選手時代同様に、FC町田ゼルビアへの思いを強く持ちつつ、全身全霊を注いでいくつもりです」
新たな挑戦を前に、李漢宰のハートは選手たちに負けないほど熱く燃えたぎっている。
(文中敬称略)
※取材はビデオ会議アプリ「Zoom」を使用して実施。
[PROFILE]
李漢宰(リ・ハンジェ)/1982年6月27日生まれ、岡山県出身。広島―札幌―岐阜―町田。J1通算92試合・5得点、J2通算194試合・5得点、J3通算63試合・5得点、北朝鮮代表通算7試合・1得点。2001年、在日朝鮮人3世選手として初めて朝鮮学校からダイレクトでJリーグ入りし、闘争心あふれるプレーで中盤を支えてきた“魂の漢”。2020年シーズン限りで現役を引退し、今年から“J1クラブへの案内人”として町田のクラブナビゲーターを務める。