“多摩川クラシコ”決勝弾の舞台裏 川崎FWを突き動かした27分前の痛恨ミス
最大の決定機を逃し「このままじゃ帰れない」
「あの場面、頭が真っ白になってあまり覚えていなくて、自分はダイレクトで流し込もうと思ったけど、なぜか触ってしまって、それでああいう形に。やばい……本当にやばい、と思った。若い頃だったら、もうボールに触りたくない、と沈んでいたと思う。でも、とにかく、このままじゃ帰れない。自分で取り返すとゴールを目指した」
結果的に、終了間際に小林が執念で打ったシュートは、川崎にとっては値千金の決勝点となった。日本代表にも選出されている実力者は、逆境に立たされても自らのゴールで跳ね返す力強さが備わっていることを証明してみせた。
【了】
城福達也●文 text by Tatsuya Jofuku
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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