「あの舞台で結果を出すために…」 日本のエース香川真司が取り組む”準備”とは

香川が実感している未来につながる取り組み

Japan v Syria - FIFA World Cup Asian Qualifier 2nd Round

――15年から始めた取り組みの成果は実感していますか?

「それはすごく感じます。試合ではよく走れていますし、試合の後のリカバリーもうまくいっていますから。それに、準備を徹底することで、どうしてうまくいったのか、何が足りなかったかを感じることも多くなりました」

――その取り組みは未来に向けてもつながっていくものでしょうか?

「そうですね。こうやって、日々、向上心を持って、続けることは数年後の自分にもつながると思っています。どうしたらさらに良いパフォーマンスを出せるようになるのか。どうやってチームを勝たせていくのか。まだまだ、課題もたくさんあるので、1日、1日、体と心の両方と向き合って、努力して、やっていかなきゃいけないなと思っています」

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 ロシアW杯予選シリア戦、停滞感を打ち破ったのは、日本の2点目となる香川の芸術的なゴールだった。

 さらに後半45分には代表通算25得点目となるゴールを奪い、中村俊輔の24得点を抜いて、歴代得点記録8位へと躍り出た。

 だがそんな記録より、誰よりも本人が渇望していた「結果」を残せたことに、試合後の香川も喜びを隠せない様子だった。

 苦境に立たされた時、どう乗り越えるのか。このインタビューでも語っていたように、香川はそのための「準備」を知っている。

 日本のエースの完全復活が楽しみだ。

[PROFILE]

香川真司(かがわ・しんじ)

1989年3月17日、兵庫県生まれ。FCみやぎバルセロナを経て、2006年にセレッソ大阪に加入。2年目から頭格を表し、08年には日本代表に初選出された。10年7月にドルトムントに完全移籍。ブンデスリーガ2連覇を果たす。12年6月にマンチェスター・ユナイテッドに移籍。14年8月に古巣ドルトムントに復帰した。16年3月29日、ロシア・ワールドカップ・アジア2次予選のシリア戦で、代表通算25得点目となるゴールを取り、歴代通算得点記録で単独8位となった。

〈サッカーマガジンZONE 2016年3月号より一部加筆修正をして転載〉

【了】

ミムラユウスケ●文 text by Yusuke Mimura

千葉格、ゲッティイメージズ●写真 photo by Itaru Chiba,Gettyimages

 

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