「話したいけど誰もいない」 元アーセナルMF、異国で直面した“孤独”を告白
ブラジル人MFデニウソンが初の海外挑戦を回顧 「私は独りだということに気づいた」
アーセナルなどでプレーした元U-17ブラジル代表MFデニウソン(スリマ・ワンダラーズFC/マルタ)がプロサッカー選手の“孤独”を打ち明けた。大観衆の前でプレーする華々しさがクローズアップされる一方で、ピッチの外では話し相手すら見つけられない苦々しい日々を過ごしていたという。
デニウソンは2006年にサンパウロからアーセナルへ移籍。U-17ブラジル代表ではキャプテンを務め、2005年のU-17ワールドカップでは準優勝経験を持つ。
大きな期待を背負ってロンドンに渡ったデニウソンだったが、初めての海外挑戦は孤独との戦いだったという。当時のことを次のように振り返っている。
「トレーニングが終わって家に帰るのはまだ良かった。問題は6万人のファンが自分を応援してくれた試合の後だ。スタジアムでシャワーを浴びて帰宅すると、私は独りだということに気づいた。
誰かと話したいと思ってMSNメッセンジャーにログオンし、誰かが私の試合を見たかを確認したが、オンライン上には誰もいなかった。『試合は終わった。誰かと話したい。でも誰もいない』と考えるようになって、そのことが自分に影響を与え始めた。みんな私たちのことをプロフェッショナルとしてしか見ておらず、私たちも1人の人間であるということを忘れてしまっている」
デニウソンは2006年から11年までアーセナルに在籍(11~13年はサンパウロFCへレンタル)。当時のチームには同胞の元代表MFジウベルト・シウバという頼れる存在がいたが、デニウソンはその先輩を頼ることにも引け目を感じていたという。
「私は苦しんでいたことを誰にも話さず、1人で抱え込んでいた。例えば、ジウベルト・シウバにも話さなかった。彼はよく家に招待してくれたが、私はそれでも居心地が良くなかった。彼には自分の人生があって、妻や子供もいた。彼に迷惑をかけたくなかったんだ」
アーセナル加入当時はまだ10代だったデニウソンは異国の地での環境に苦しんでいたようだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)