百戦錬磨の川崎の名手が語るFC東京との”多摩川クラシコ” 「この戦いに順位は関係ない」

中村とジュニーニョは「翼くんと岬くん」

「印象に残っているのは、2006年に等々力で行われた試合。試合終盤に、俺とジュニーニョの二人で突破したシーン、それが本当に翼くんと岬くんみたいな展開で、最後ワンツーでゴール。あれが10年前にもなるんだなぁ」

 中村が挙げたのは、まだ川崎とFC東京の一戦が”多摩川クラシコ”と命名される前の、2006年にホームで行われたリーグ第4節の対戦。後半40分に中村と当時所属していたFWジュニーニョで相手の守備網を切り裂き、鮮やかなワンツーから中村が押し込み2-2のドローに持ち込んだ試合だった。そのシーンについて、人気サッカー漫画「キャプテン翼」に登場する大空翼と岬太郎が圧巻のワンツーを披露する名場面になぞらえ、回想していた。

 中村にとって今週末の対決は、欠場した2010年シーズンのホーム&アウェー戦、2013年のアウェー戦を除き、19回目の”多摩川クラシコ“となる。慣れ親しんだ”伝統の一戦”だが、その目に宿った闘志は一向に衰える気配を見せない。

【了】

城福達也●文 text by Tatsuya Jofuku

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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