森保ジャパン「理想布陣」を元日本代表MFが選出 国内組で推す「異色の存在」とは?
攻撃陣の豊富なタレントを活かせる家長に期待 「Jリーグで断トツの存在感」
そして攻撃陣について、福西氏はW杯アジア予選の戦いを見据えると日本は「ボールを握れるわけだから、ゴールを奪うための精度をより高めないといけない」と指摘する。2列目には「俊敏性のある」欧州組がひしめくが、そんな日本の誇るタレントを活かすうえで福西氏は「異色の存在」としてMF家長昭博(川崎)を推す。
「Jリーグで断トツの存在感。技術、実績を考えれば入っていてもおかしくない状況に合わせたサッカーをしてくれるし、走れって言えば走れる。ベテランになって、より嫌らしくなりましたね」と、右SB酒井の攻撃力を引き出すために右サイドハーフの一番手とした。
そして攻撃陣でもう1人、福西氏が起用のポイントに挙げたのがMF南野拓実(リバプール)だ。森保ジャパンでは4-2-3-1のトップ下が主戦場となっているが、「セカンドストライカーでいい」と前線の軸であるFW大迫勇也(ブレーメン)との2トップ起用を推奨。また、森保監督が攻撃の中心として期待していたMF中島翔哉(ポルト)がクラブで思うように出場機会を得られていない現状を考慮すると、南野を左サイドハーフに回すのも有力なプランだとして、その際にはトップ下の一番手にMF鎌田大地(フランクフルト)の名前を挙げている。
2列目の候補者としてはその他にもMF伊東純也(ヘンク)、MF原口元気(ハノーファー)、MF久保建英(ビジャレアル)ら欧州遠征に招集されたメンバーのほか、今季リーガ・エスパニョーラで好調なMF乾貴士(エイバル)にも注目。また、日本代表で長く課題とされている“大迫の代役”候補として、「Jリーグで結果を出している」33歳のベテランFW小林悠(川崎)は試す価値があるとした。
W杯予選で日本と対峙する多くのアジア勢は、自陣に人数をかけて守備を固めてくる。10月と11月の欧州遠征で崩しの部分に課題を残したなか、福西氏が推奨する家長の抜擢や南野の2トップ起用が、一つの解決策になるかもしれない。
[プロフィール]
福西崇史/1976年9月1日生まれ、愛媛県出身。95年にFWとしてジュビロ磐田に加入すると、プロ入り後にボランチへコンバートされ黄金時代を迎えたチームの中盤を支えた。J1通算349試合62得点の成績を残し、Jリーグベストイレブンも4度受賞。日本代表としても国際Aマッチ64試合7得点を記録し、2002年日韓大会、06年ドイツ大会とワールドカップに2度出場した。04年アジアカップでは優勝を経験している。