ファン・ハール監督が今夏の“270億円補強”も戦力に不満 「まだバランスが取れていない」

 

QPR戦前日会見で無神経な発言!?

 

 マンチェスター・ユナイテッドのルイス・ファン・ハール監督は今夏の移籍市場で1億5000万ポンド(約270億円)もの巨額の補強費を投入し、ドルトムントにMF香川真司を放出するなど、大ナタを振るいながらも、「まだバランスが取れていない」と自らの補強策に駄目出ししている。英一般紙ガーディアンが「マンチェスター・ユナイテッドのルイス・ファン・ハールは大出費にも関わらず、さらなる戦力バランスを求める」と見出しで特集している。

 オランダ人監督はレアル・マドリードからアルゼンチン代表MFアンヘル・ディマリアを英国史上最高額の移籍金で獲得するなど、大補強を敢行。開幕前の米国遠征では「背番号10が多過ぎるし、DFがいない」と戦力バランスの悪さを明確にした上で、このマーケットで大盤振る舞いをしたはずだった。

 だが、14日のQPR戦前日会見では無神経な発言が飛び出した。「今までよりバランスの取れたチームになったが、まだ十分なバランスが取れたチームになったとは言えない。間違いなく、(補強不足は)DF面だ」と語った。

 スポルティング・リスボンからアルゼンチン代表DFマルコス・ロホ、アヤックスからオランダ代表DFダリー・ブリントを新たに獲得したが、フィル・ジョーンズ、クリス・スモーリングの2人が故障離脱中。それでも、移籍市場閉幕直前でモナコからコロンビア代表FWファルカオを期限付きで獲得したのはファン・ハール監督の熱望によるものだった。

 アヤックス、バルセロナ、バイエルンでタイトルを積み重ね、オランダ代表をブラジルワールドカップで3位に導いた指揮官は名将の評価を手にしたが、マンU監督就任後は公式戦勝ち星ゼロ。ホーム開幕戦では1972年以来となる敗北を喫し、リーグカップ初戦では3部MKドンズに0-4で敗れるなど自らの評価を下げている。

 巨額の補強費を投じ、大補強を展開した挙げ句の「バランス欠如」を指摘するコメントはさらに評価を下げかねない不用意な発言と言えそうだ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

 

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