大逆転負けのドルトムントが見せた”神対応“ クロップ・リバプールとの間に芽生えた絆

SNS上で健闘を讃え合う両クラブに芽生えた絆

 ドルトムントは公式ツイッターで3−3の時点で「アディショナルタイム4分」というメッセージと共に、神に祈る絵文字を三連発。しかし、ロブレンにまさかの決勝弾を決められると「ナイン(ノー)、ナイン、ナイン」と悲痛のツイート。

 その一方で、リバプールは試合終了直後、公式ツイッターでこの試合のスタッツ画像とともに「言葉にならない」というメッセージを投稿。すると、対戦相手だったドルトムント公式がその内容に対し、「おめでとう!バーセルでの決勝戦に向け突っ走ってくれ!」と返信した。

 この粋な返答にリバプール側も「とんでもなく信じられない試合だったね。君たちの言葉に感謝する。残りのシーズンも共に頑張ろう!」と返し、互いに健闘を讃え合っていた。

 かつて7年間ドルトムントを率いたユルゲン・クロップ監督はいまだにチームの英雄でもある。今季途中にリバプールの監督に就任した際、ドルトムント公式ツイッターはリバプール出身のビートルズの名盤「アビー・ロード」のジャケット写真にちなみ、闘将がアビー・ロードを歩くコラージュ写真とともに激励のメッセージを送っていた。ホーム初戦で1−1ドロー後にクロップ監督はかつての教え子と抱擁。出番のなかった日本代表MF香川真司とは誰よりも長いハグを交わした。

 トーマス・トゥヘル監督は「王者のように勝てなかったのだから、せめてチャンピオンのように振舞おう」と言葉を絞り出した。死闘の後に、美しい敗者として勝者とかつての指揮官を讃えるドルトムントのジェスチャーは欧州でも大きな話題を呼んでいる。 クロップ・ダービーとして全世界から注目が寄せられていたが、激戦を終えた両名門には確かな絆が芽生えたようだ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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