「日本代表監督・森保一」の実像 元教え子が見た指揮官の「ブレない」チーム作り
森保監督に向けられる厳しい目も「一つのモチベーション、パワーに変えるしかない」
2020年11月に強豪メキシコに0-2で敗れた際には、チームを率いる森保監督への批判が強まった。塩谷は「人格否定は受け入れがたいですけど」と断ったうえで、そういった声もモチベーションにして進んでいくしかないと見解を述べる。
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「どんなに良くても絶対に批判する人もいれば、良い時はちゃんと称賛してダメな時は批判する人もいる。広島時代、優勝したシーズンでも厳しい目を向けられた時はあります。批判するのも、応援する側の権利だと思います。完璧な人間なんて存在しないわけで、ちゃんとしたまっとうな意見であれば、一つのモチベーション、パワーに変えるしかない。これはサッカーだけでなく、プロの世界である以上、他のスポーツでもあること。できれば、みんながポジティブなほうに行けばいいなとは思いますけど、どうしてもこういうご時世でたくさんネガティブな面も見えてしまうので、なにくそと思ってやるしかないかな、と」
UAEでの海外挑戦4年目を迎えた塩谷は、昨年12月で32歳となった。日本代表招集から2年間遠ざかっているが、「サッカーを続けている以上、たとえ何歳になったとしても、日本代表は目指さないといけない場所」と決意を覗かせる。
「僕はワールドカップに出たわけじゃないので、緊張感とかプレッシャーは分かりません。でも、ワールドカップで勝とうと思ったら、日本はやっぱりアジアで負けちゃいけないし、アジアのトップであるべき。ヨーロッパのビッグクラブでプレーしている選手もいるわけで、ワールドカップで勝ち上がっていくチャンスはあるはずです。自分も実力あるメンバーたちの争いに食い込んでいきたい。みんなでお互いを高め合って、今呼ばれている選手たちを脅かす存在がどんどん出てきて、もっとレベルアップしなきゃと切磋琢磨していくしかないと思います」
自身初のワールドカップ出場の夢を見据えつつ、塩谷は世界との戦いに向けて静かに牙を研ぐ。
※取材はビデオ会議アプリ「Zoom」を使用して実施。
(FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)