伊紙もミラン会長の「危険な冒険」に否定的な見解 電撃解任の横暴ぶりが波紋を呼ぶ

“鬼軍曹”の更迭にサポーターが激怒

 ブロッキ監督もトップ下の導入を迫られたと、記事ではレポートされている。かつては私財を惜しみなく投入し、世界屈指の名手を集めて「グランデ・ミラン」を実現させたベルルスコーニ会長だが、イタリア経済の悪化に伴い、本業のメディアグループの収益も悪化。クラブはタイの投資家グループへの株式売却交渉が、度重なるドタキャンによって不調に終わり、資金繰りが悪化。今季は100億円規模の赤字が見込まれている。

 3年連続で欧州カップ戦出場権を逃す危機も迫っているなか、選手、サポーターからの信頼が厚かった”鬼軍曹”は更迭された。ワンマン会長の独断で実行された監督交代劇に、サポーターは「シニシャは彼のせいではないのに、ツケを支払わされている」と激怒しているという。

 ブロッキ氏はクラブOBとはいえ、労を惜しまぬ黒子役として黄金期のミランでプレーしたが、フィリッポ・インザーギやクラレンス・セードルフ両元監督のようなクラブレジェンドではない。トップチームでの指導経験もないブロッキ新監督の背後には、操る糸が透けて見えるようだが、そんな緊急発足した”傀儡政権”は、サポーターからの信任を得られる結果を残せるだろうか。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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