「死ぬほどかっこよかったぞ」 Jリーガー兄、激闘の末“涙”の青森山田3年弟へエール「家族の誇り」
来季から水戸加入のタビナス・ジェファーソン、青森山田3年の弟にメッセージ
来季からJ2水戸ホーリーホックに所属するDFタビナス・ジェファーソンが11日、公式ツイッターを更新した。ガーナ人の父とフィリピン人の母を持つタビナスの弟で来季J3いわてグルージャ盛岡に加入内定が決まっている青森山田高校3年生のDFタビナス・ポール・ビスマルクに向けてメッセージを発信。同日に行われた第99回全国高校サッカー選手権の決勝戦では、山梨学院(山梨)相手に激闘の末、2-2の同点でもつれ込んだPK戦で敗れた弟に対し、「家族の誇り」と称えた。
試合は前半12分、山梨学院がペナルティーエリアのすぐ外、ゴール正面でボールを受けたMF広澤灯喜が、ニアサイドへミドルシュートを放つと、これがゴールに吸い込まれて先制。それでも後半に入ると、青森山田がロングスローから山梨学院のゴールをこじ開けた。同13分、内田のロングスローがゴール前にこぼれると、2年生で「10番」のMF松木玖生のシュートをセーブしたこぼれ球を主将のDF藤原優大がプッシュして1-1の同点とした。
さらに同18分、右サイドを切り崩して途中出場のMF藤森颯太が入れた低いクロスにMF安斎颯馬が相手と競り合いながら飛び込み2-1と勝ち越し。それでも諦めない山梨学院は同34分、スルーパスに反応した途中出場のMF山口丈善と飛び出してきた青森山田GK韮澤廉が絡んだこぼれ球を、FW野田武瑠が押し込んで2-2の同点とした。勝負は10分ハーフの延長戦にもつれ込むも決勝ゴールは生まれず、PK戦での決着になった。
PK戦では先攻の青森山田2人目の安斎のキックを、山梨学院GK熊倉匠が読み切ってストップ。4人目のDF三輪椋平は枠を捉えられなかった。一方の山梨学院は4人連続でキックを成功させ、PK戦を4-2で勝利。青森山田は2大会連続の準優勝となった。
そんななか、ジェファーソンは激闘を戦い抜いた弟に向けて自身のツイッターで、家族写真とともに激励の言葉を送った。
「高校3年間をサッカーのために捧げた兄弟よ。家族の誇りだ。死ぬほどかっこよかったぞ。俺も沢山のヒントもらったし良き兄でいれるように負けてらんない。#初めてサッカー見てて泣いた」
これに川崎フロンターレの元日本代表FW小林悠が「本当素晴らしい試合だった」と投稿。ジェファーソンは「弟に見てたって言ったら絶対喜びます!」と、川崎時代の先輩からのコメントに嬉しそうに返信していた。
自身も桐光学園時代に全国選手権出場を果たした兄にとって、弟の最後の大会は心に残るものとなったようだ。