ポステコグルー体制“継続”で王座奪還へ ブラジル人新FW、東京五輪世代DFを補強【J1戦力動向・横浜FM】

横浜F・マリノスへの移籍が決まったFWエウベルとDF岩田智輝【写真:小林 靖 & Getty Images】
横浜F・マリノスへの移籍が決まったFWエウベルとDF岩田智輝【写真:小林 靖 & Getty Images】

【今オフ動向まとめ】現有戦力を維持しながらブラジル人FWエウベル、大分からDF岩田を獲得

 Jリーグの2020年シーズンが終了し、来季に向けたチーム編成が動き始めている。移籍のリリースが続々と出ているなか、各クラブは今オフにどのように歩みを進めていくのか。20年シーズンの成績とすでに発表されている戦力動向を踏まえながら、来季に向けた注目ポイントをポジションごとに展望していく。

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 19年シーズン王者としてリーグ連覇に臨んだ横浜F・マリノスは、序盤戦から守備が安定せずに黒星が先行。第11節清水エスパルス戦(4-3)から3連勝し持ち直したかに見えたが、その後は負傷者や新型コロナウイルスの影響でAFCチャンピオンズリーグ(ACL)が11月下旬から集中開催されるため、他クラブよりも過密日程を強いられるなど波に乗り切れなかった。最終的に14勝5分15敗の9位という、前年王者としては不本意な成績でシーズンを終えている。

 来季に向けてはいち早く、ACL参戦中の12月2日にアンジェ・ポステコグルー監督の続投を発表。2018年の就任から4シーズン目に突入するなか、攻撃的スタイルの継続でタイトル奪還を狙うことになりそうだ。

■FW編
 19年シーズンに15得点を決めてFW仲川輝人とともに得点王を獲得したFWマルコス・ジュニオールは、昨季もチーム3位の11ゴールを奪っており、昨年末に契約更新が決定。チームトップタイの13得点を奪ったエリキは、パルメイラスから期限付き移籍中の身だったが、現在完全移籍での獲得に向けて交渉中とブラジルメディアで報じられている。

 一方、昨年8月に柏レイソルから期限付き移籍で加入し、22試合13得点を挙げたFWジュニオール・サントスはレンタル終了となり、新シーズンはサンフレッチェ広島へ完全移籍。また、昨年11月からJ2のV・ファーレン長崎にレンタルしていたFWエジガル・ジュニオは、そのまま長崎へ完全移籍となった。

 その代わりに今オフ、ブラジルのバイーアから28歳FWエウベルを獲得。さらに昨季は松本山雅FCからの期限付き移籍だったFW前田大然も完全移籍でキープするなど、FW陣の陣容は質・量ともにリーグ屈指と言えそうだ。

■MF編
 他のポジションに比べて動きが少なく、ここまで獲得したのは興國高から獲得したルーキーのMF樺山諒乃介とMF南拓都の2人のみ。現有戦力では、キャプテンを務め昨季リーグ戦で30試合に出場したMF喜田拓也、同じくリーグ戦で31試合に出場したMF扇原貴宏らの契約更新が発表された。

 20年シーズンにヴァンフォーレ甲府へレンタルしていたMF泉澤仁はそのまま完全移籍へ移行。京都サンガF.C.にレンタルしていたMF仙頭啓矢はサガン鳥栖に完全移籍となるなど、保有戦力の整理も進めており、現状では主力の顔ぶれが大きく変わることはなさそうだ。

■GK&DF編
 20年シーズンの停滞を招いた要因の一つが、リーグワースト4位タイの59失点にあることは明らかだろう。クラブはいち早く補強に動き、大分トリニータから東京五輪世代の23歳DF岩田智輝の獲得に成功した。3バックの右、または右サイドバックとしてプレー可能で、積極的な攻撃参加も見せることからポステコグルー監督のサッカーにハマる人材と言えそうだ。

 現有戦力ではDFチアゴ・マルチンスとDFティーラトンの両助っ人の残留も決定。一方で19年シーズン優勝メンバーの1人で、昨季途中にサガン鳥栖へ期限付き移籍していたGK朴一圭はそのまま完全移籍。GK梶川裕嗣、GK高丘陽平、GKオビ・パウエル・オビンナらの間で守護神争いが繰り広げられることになるだろう。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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