山梨学院、死闘制し11大会ぶり優勝に王手! 2-0から追いつかれるもPK戦で帝京長岡を振り切る
開始21秒で先制、追いつかれるもPK戦で3-1勝利
第99回全国高校サッカー選手権は8日に埼玉スタジアムで準決勝が行われ、第1試合では11大会ぶりの優勝を目指す山梨学院(山梨)と、県勢初の決勝を目指した帝京長岡(新潟)が激突。PK戦の末に山梨学院が2度目の日本一に王手をかけた。
2回戦から登場して3試合連続の複数得点、前回大会でもベスト4に入った攻撃的なポゼッションサッカーが魅力の帝京長岡に対し、山梨学院は1回戦からの4試合でわずかに1失点と堅守をベースに勝ち上がってきた。
そのゲームは、開始わずか21秒で動いた。山梨学院はロングレンジからFW野田武瑠が思い切ったシュートを放つと、これがゴールポストを直撃。こぼれ球のシュートは帝京長岡のGK佐藤安悟がファインセーブしたが、さらにMF石川隼大が詰めて先制した。
帝京長岡はボールを保持して反撃する形を作りたかったが、山梨学院は素早い攻守の切り替えで相手の攻撃のテンポを上げさせず、ここまで失点が非常に少ない試合を続けてきた姿をこの準決勝でも見せた。帝京長岡は決定機を作り出せず、このまま1-0でハーフタイムを迎えた。
後半に入っても効率的にゲームを進めたのは山梨学院だった。後半5分、MF新井爽太のロングスローにDF一瀬大寿が走り込んでヘディングシュートを決め、2-0とリードを広げた。
それでも意地を見せる帝京長岡は同14分、敵陣でのショートパスから最後は相手の背後に出た浮き球に反応したMF川上航立が思い切った右足シュートを決め、キャプテンの一撃で1点差に詰め寄った。
さらに圧力をかける帝京長岡は同33分、PKを獲得するとキッカーは川上。この緊迫した場面で川上はゴール正面にふわりと浮かせるチップキックを放つ強心臓ぶりでキックを成功させて2-2の同点に。激闘の決着はPK戦にもつれ込んだ。
その1人目、試合中には冷静に決めた帝京長岡の川上はゴール左を狙ったキックを放ったが、山梨学院のGK熊倉匠が読み切ってストップ。さらに2人目は枠を外した。一方で帝京長岡のGK佐藤は、山梨学院の3人目と4人目を連続ストップと意地を見せた。
熊倉はさらに4人目をストップし、山梨学院は5人目のMF谷口航大が冷静に決めて3-1で山梨学院が勝利。第88回大会以来の優勝を目指す山梨学院は、11日の決勝戦で第2試合の矢板中央(栃木)と青森山田(青森)の勝者を迎え撃つ。
(FOOTBALL ZONE編集部)