勝敗を左右する“チーム”としての戦い 横浜FMeスポーツ選手が語る競技シーンの真髄
「弱気になっていると守りに入ることしかできなくなる」(あぐのむ)
――フィジカル的、メンタル的な鍛錬に取り組んでいるとも聞いています。どのようなことに取り組み、実際の効果はどのようなものがあるのでしょうか?
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あぐのむ「フィジカル面は2020年から筋力トレーニングに取り組んでいて、フィジカルとメンタル、両方が鍛えられます。1年を通してあまり体調を崩すこともなくできましたし、非常に大きかったなと感じています。シーズン中に7週連続でプロリーグが開催された時、調整の時間が多く必要になり、2週間ほど筋トレを休ませてもらったんですが、そのタイミングで体調を崩したり、メンタル面が弱ってしまうということがありました。筋トレを継続していたからこそ体調を崩さなかったんだなと、休んだことで気付きました。プラスができるというよりも、試合に臨む際のマイナス要素を消してくれる取り組みになっていると感じています」
――フィジカルは試合に臨むうえでのメンタルにも影響するのでしょうか?
あぐのむ「影響すると思います。鍛えていない時や、食生活が乱れている時は、メンタルが弱くなっていく。シャドウバースはメンタルゲームだと思っていますし、そういう時は弱気なプレイングになってしまいます。攻めに出るのか、守りに入るのか、どちらの勝率が高いのかは場合によりますが、弱気になっていると守りに入ることしかできなくなる。攻めたほうが勝率は高いのに、メンタルが原因でその選択をできない可能性が出てくる。やはりメンタルは大事だと思いますし、だからこそ筋トレにも意味があると思っています」
しーまん「僕はシーズン前にメンタルの勉強をして、改善したところがあります。試合の時は1年目から今も変わらず緊張するんですが、今までは緊張しないようにいろいろ取り組んでいたところを、最近では逆に『緊張はするものだ』と俯瞰的に見るようにしています。プロリーグに入ったばかりの頃は難しい局面を迎えると頭が真っ白になって、10秒くらい何も考えられなくなってしまうようなこともあったんですが、最近は落ち着いてできるようになってきたと思います」
――緊張を受け入れるというのは、実践が難しいことのように感じます。
しーまん「緊張している自分と、それに抗う自分がいると、そこにリソースが割かれてしまいます。だから『緊張しているな、そりゃそうだよな』と自分の中で独り言をしつつ、『今は緊張しているから、ひと呼吸置いて冷静になってから考えてもいいかな』とか、試合中に自己分析をするような感じですね。すごく小さなことですけど、意味はあると思っていますし、継続していこうと思っています」
[PROFILE]
あぐのむ/1994年11月25日生まれ、新潟県出身。キャプテンとしてチームを引っ張る“トリコロールの貴公子”。「RAGE Shadowverse Wonderland Dreams」ファイナリスト、「JCG Shadowverse Open」優勝1回。
しーまん/1996年3月26日生まれ、神奈川県出身。特殊フォーマット「2Pick」担当としてプロリーグでは先鋒を務める“ハマの2Picker”。「JCG Shadowverse Open 2Pick」優勝4回。
(片村光博 / Mitsuhiro Katamura)