ベスト4進出の矢板中央、無観客開催の決定に3年生主将が胸中吐露 「心細い」
準決勝以降の無観客が決定 矢板中央の主将・坂本は本音「無観客になると…」
第99回全国高校サッカー選手権は5日、駒沢陸上競技場で矢板中央(栃木)と富山第一(富山)の準々決勝を行い、矢板中央が2-0で勝利した。新型コロナウイルスの感染拡大により、埼玉スタジアムで行われる準決勝は無観客開催が決まったが、矢板中央の主将と監督がベスト4に向けてコメントを残している。
昨年ベスト4に進出した矢板中央は、2回戦の徳島市立(徳島)戦では1-1で迎えたPK戦で6-5と勝利、3回戦の東福岡(福岡)戦では0-0で迎えたPK戦で3-1と競り勝ち、2戦連続でPK戦の接戦を勝ち抜き、今大会2試合で1失点と堅守を誇る富山第一と対戦した。
試合は互いの強固な守備力が光り、前半を0-0で折り返したが、後半9分にロングフィードに抜け出したMF小川心(3年)が左足のひと振りでネットを揺らして先制点を奪取。同25分にはロングスローのこぼれ球をDF新倉礼偉(3年)が押し込んで追加点を決めた。
2年連続の準決勝進出となった矢板中央だが、日本サッカー協会(JFA)は選手権の準決勝以降において保護者・学校関係者などの観戦を中止し、無観客での実施を発表した。
試合後、矢板中央の主将DF坂本龍汰(3年)は無観客で迎える準決勝について、「昨年と違い応援ができないなか、環境も大きく変わっている。昨年なら応援席でBチームの皆が応援してくれて力になった。今日もBチーム、保護者の方も声出しができないが、見守ってくれて力になった分、無観客になると心細い。慣れない部分もあると思うが、やってきたことを貫いて勝ちたい」と語った。
また、高橋健二監督も「今コロナ禍で、大会が開催してもらえたこと、いろんな人の協力があってできているということを選手に伝えた。活動ができるのか、大会が続くのか、本音としては開催してほしいが、開催できない状況になっても、選手とともに受け止めるようと。どうなるか分からないが、そういう思いを選手とともに見つめていきたい」と語っている。
昨年は準決勝で優勝した静岡学園に敗れて涙をのんだが、今年は“静寂の埼玉スタジアム”で雪辱を果たすことができるだろうか。矢板中央は準決勝で、優勝候補の筆頭と評される青森山田と対戦する。
(FOOTBALL ZONE編集部)