中心選手の森重は「サッカーの本質の部分」を強調

「昨シーズンは最後にリーグ戦でタイトルを逃してしまった。健太さんがチームのためにあれだけ情熱を注いでくれている思いに応えたいと思っていたし、タイトルをプレゼントできたのは良かったと思う。勝ちたいという気持ち、いろいろな戦術の部分や技術はあるけれども、サッカーをやるうえで本質的な部分がFC東京に足りなかった。それを健太さんは毎日のように口にしていた。それがタイトル争いをできるようになった要因だと思う」

【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信！　簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから

　こうしたメンタリティーを植え付けながら、昨シーズンはリーグ戦の最終盤まで首位を走った。しかし、残り2試合で横浜F・マリノスに逆転優勝を許した。長谷川監督は「常々、悔しさがチームを強くするという話をしてきた。昨シーズン、最後にマリノスに逆転されて優勝する姿を見せつけられたのは大きな経験。そこから今シーズンがあり、コロナもあって特別なシーズンになった中でサッカーの試合ができることに感謝しつつ、悔しさを晴らす。そうやってタイトルを取れたことが大きかった」と話す。

　どこか勝負弱さのあったFC東京の変革は、長谷川監督の持ち込んだメンタリティーによって為された。指揮官は「このルヴァンカップが第一歩だと思うので、来シーズンはさらなるタイトルを目指して戦いたい」と見据える。高いポテンシャルを常に維持してきたチームだけに、黄金期を迎えても不思議ではないと言えそうだ。