「雰囲気を変えられるのは…」 川崎監督が語る中村憲剛ラストゲームで“温存”の決断の真意
鬼木監督は延長戦突入も見据えたうえで中村を“切り札”として温存
川崎フロンターレは1月1日の天皇杯決勝で、ガンバ大阪に1-0で勝利して初優勝を飾った。この試合が現役ラストゲームとなった川崎の元日本代表MF中村憲剛は出場機会がなかったが、鬼木達監督は「もし延長になった時に、スタジアムの雰囲気を変えられるのは誰かと考えたら……」と、苦悩の決断だったと明かした。
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川崎はリーグ戦を記録ずくめの独走で優勝してから、二冠を目指してこの決勝に臨んだ。前半から決定機を数多く迎えながらも決めることができず、嫌な空気も流れた。しかし、後半10分にFW三笘薫が先制点を奪ってリードした。
その後に追加点のチャンスは生かせず、試合が終盤に差しかかるにつれてG大阪が攻勢を強めた。こうした展開のなかで、ベンチに控える中村の起用について鬼木監督は熟慮したと話した。
「あのまま勝ち切ること、後半途中で憲剛を入れる選択もあった。もし延長になった時に、スタジアムの雰囲気を変えられるのは誰かと考えたら、憲剛だった」
延長戦に入ることは、試合終盤にG大阪に同点ゴールを許すことを意味する。その勢いに乗ってくることが予想される延長戦で、現役ラストゲームになる川崎一筋の男がピッチに立つ展開は、確かにスタジアムの空気を一変させるだろう。浮足立ちがちになる展開のチームを、冷静かつ確かな技術のあるプレーで落ち着かせる光景も予想できる。そのためには、ベンチに中村がいる状況が必要だった。
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