「感無量」 中村憲剛、現役ラストゲームは出番なしも二冠達成に歓喜「世界で一番幸せ」
天皇杯・決勝のG大阪戦は出番なしも、“後輩”たちがチームを牽引して初優勝で締め括る
川崎フロンターレの元日本代表MF中村憲剛は、1月1日にガンバ大阪と対戦した天皇杯決勝戦が18年間の現役生活でラストゲームになった。ベンチスタートでピッチに立つ機会はなかったが、チームは1-0で勝利して天皇杯の初優勝で有終の美を飾った。
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中央大から2003年に川崎へ加入した中村は、一度も移籍することなく18年間を川崎で過ごした。その間には数々のリーグ2位や準優勝で終わる悔しさを味わったが、17年のリーグ優勝からの2連覇、19年にはルヴァンカップを獲得。今季は3回目のリーグ優勝と初の天皇杯タイトルを手にした。19年11月には左膝の前十字靭帯損傷の大きな負傷もあったが、今季に復帰も遂げて現役生活を締めくくった。
試合後に中村は「感無量です。嬉しすぎます。おそらく今、世界で一番幸せなサッカー選手なんじゃないかと思う」と、優勝への喜びを語った。そして、4年前の決勝で鹿島アントラーズに敗れて準優勝だったことを踏まえ、「僕も声を掛けながら一緒に戦っていた気持ち。(試合に)出られなったのは残念だけど、勝負なので。勝ちがすべてというのは4年前の決勝での敗戦で痛いほど感じたこと。そこから培ったものを最後に出せたのがフロンターレの新しい歴史につながると思う」と話した。
そして中村は、“ミスター・フロンターレ”とも呼ばれた自身が引退するチームへの信頼と、18年間の現役生活を振り返った。
「今日の試合は僕が出ていませんし、もうフロンターレの形はある。預けて託せるからこそ引退できる。今後は、フロンターレもそうだし、日本サッカーに貢献したい。18年というのは長いプロ生活で、まだ実感がなくて来週も等々力でボールを蹴りそうだけど、それがもう叶わないというのはこれから感じると思う。
18年の(キャリアの)最後に中村史上最高の1年が来たのはみんなのおかげ。今シーズンはコロナでみんなが大変だったけど手を取り合って最後まで日程ができたことに感謝しているし、またみんなで日本サッカーを盛り上げていけたら。本当に素晴らしい決勝戦だった。18年間ありがとうございました」
日本代表としては10年の南アフリカ・ワールドカップのメンバーにも入った。Jリーグではベストイレブン8回に、16年にはシーズンMVPも獲得した。05年から18年まで14年連続で優秀選手賞を受賞するという安定感あるプレーも魅力だった。
その現役生活の最後は、フロンターレのブルーのユニフォームで、天皇杯のカップを掲げて締めくくられた。
(FOOTBALL ZONE編集部)