元Jリーガー、指導者として中国超級リーグに挑戦 「師匠と呼べる存在」の元J監督と“初タッグ”

Jリーグでは大宮アルディージャなどでプレー【写真:Getty Images】
Jリーグでは大宮アルディージャなどでプレー【写真:Getty Images】

アメリカ時代の恩師ゴトビからの誘い「私のチームで一緒に仕事をしないか?」

 その後も頻繁に連絡を取り合っていたディビッドソンとゴトビ。ゴトビが清水の監督を務めている期間も含め、いつも「チャンスがあれば一緒に仕事をしたいね」と言葉を交わしていたという。しかしながら、ディビッドソンが現役時代にゴトビの下でプレーをする機会は訪れず、言葉は現実のものとはならなかった。常に超ポジティブなマインドで、後悔をすることがほとんどないと自負するディビッドソンだったが、プロ選手としてゴトビの下でプレーできなかったことが、プロ生活の中で唯一とも言える「残念なこと」だった。

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 話を戻すと、そんなゴトビからの電話が鳴ったのである。いつものように挨拶を交わすと、「私のチームで一緒に仕事をしないか?」と単刀直入に切り出された。折しもゴトビは石家荘永昌で監督を務めていた。突然のオファーに驚きはしたが、それ以上に嬉しさが込み上げてきたという。もちろん、所属クラブとの契約が残っているため直ちに返事をすることはできなかったが、最終的にディビッドソンは、ゴトビのアシスタントとして石家荘永昌のトップチームでアシスタントコーチに就任する運びとなった。

「中国超級リーグのトップチームでコーチを務められるということ自体がエキサイティングなことですが、それ以上に、やっとゴトビさんと一緒に仕事をすることができるということに強い感動を覚えました」

 トップチームのコーチとしては新人で、チームに在籍している外国籍選手も広州恒大やFC東京でも活躍したムリキらハイレベルな選手が揃う。「彼らは技術的にメチャクチャ上手かった」とコーチながらも舌を巻いたが、「学ぶことが多く、毎日が充実していた」と目を細める。コロナ禍に見舞われてイレギュラーなシーズン日程となったが、「そのぶん、キャンプでしっかり準備ができたし、自分もチームに馴染めた」とし、年明けに生まれた第二子とも出産時に顔を合わせただけの状態で中国での単身赴任生活を送ったが、「あの状況下でタイミングよく会えたのはラッキーだった」と持ち前のポジティブさも健在。きっと選手たちにもいい影響を与えるコーチだったことだろう。

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