元Jリーガー、指導者として中国超級リーグに挑戦 「師匠と呼べる存在」の元J監督と“初タッグ”
大宮などで活躍したディビッドソン純マーカス、20年は中国の石家壮永昌でアシスタントコーチを務める
クラブオーナーの圧倒的な資金力を武器に欧州や南米から監督、選手のビッグネームを“爆買い”して名を轟かせてきた中国超級リーグ。広州恒大や上海上港といった超リッチクラブは常に、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)でJリーグ勢の難敵となっている。
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莫大な予算を持つクラブが、さながら“映え”合戦のように強力な外国籍選手を揃えている状況は、世界的に見ても特殊だと言える。そして2020年、強力な外国人たちがせめぎ合うそのリーグのなかで奮闘した元Jリーガーがいる。現役時代は大宮アルディージャやコンサドーレ札幌などでプレーをした、ディビッドソン純マーカスだ。中国超級リーグに昇格を果たしたばかりの石家壮永昌でアシスタントコーチを務め上げた。
前述したJリーグクラブやMLS(メジャーリーグサッカー)のバンクーバー・ホワイトキャップスなどを経て、2017年シーズンをもって選手生活を終えたディビッドソンは、古巣である大宮のアカデミーコーチに就任した後、2019年から中国超級リーグの広州富力のアカデミーで指導を行っていた。
「高校生の時はアメリカで過ごしましたし、プロ選手になってからも選手として、あるいはプライベートでいろいろな国に行きましたが、そのなかでも中国という国はとても興味深いと感じていました。一度、中国で仕事をしてみたいと思っていたんです」。
そんなディビッドソンのもとに2019年末、1人の男から電話が届いた。電話の主は、イラン代表や清水エスパルスなどで監督を務めた経験を持つアフシン・ゴトビだった。
ディビッドソンとゴトビとの関係性は深い。ディビッドソンは高校時代に父の故郷であるアメリカに渡り、カリフォルニア州パサデナにある「AGSS(アメリカン・グローバル・サッカースクール)」というサッカースクールに通い技術を磨いたのだが、このスクールの指導者であり経営者がゴトビだった。
そしてゴトビと当時大宮で監督をしていたピム・ファーベークが旧知の間柄だったこともあり、ゴトビからの推薦でディビッドソンが大宮に加入する流れとなった。ディビッドソンにとってサッカーの指導、さらにはプロ選手への道を切り拓いてくれたゴトビは「自分の師匠とも呼べる存在」(ディビッドソン)だったのである。