アル・アインDF塩谷司、コロナ禍を乗り越えさせた恩師の教えと理想の選手像への挑戦

海外挑戦4年目を迎えたアル・アインのDF塩谷司【写真:Getty Images】
海外挑戦4年目を迎えたアル・アインのDF塩谷司【写真:Getty Images】

【インタビューVol.1】海外4年目、逞しさを増したメンタル「多少のことでは動じない」

 UAE1部アル・アインのDF塩谷司は、2020-21シーズンで海外挑戦4年目を迎えた。当初は未知だった中東という環境に飛び込み、逞しさを増した万能センターバックは「チームを勝たせられる選手になりたい」と目標を掲げる。

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 塩谷がサンフレッチェ広島からアル・アインに渡ったのは、プロ7年目の2017年6月。「海外でプレーしてみたい」との思いから、日本人史上3人目となるUAE1部でのプレーを決断した。2018年のFIFAクラブワールドカップ決勝で、世界的名門のレアル・マドリード相手に技ありのヘディング弾を決めてその名を轟かせたのは記憶に新しい。異国の地でプレーし続けることで、メンタル面の成長に手応えを感じているという。

「今はセンターバックで固定されていますけど、怪我人が出たり代表選手が抜けた時にいろんなポジションを経験してきて、安定したパフォーマンスを発揮できるようになったと感じています。あとは精神的に強くなったのかな、と。(2012年8月に)広島に行った時は、周りの選手が上手すぎて、ついていくのが精いっぱいで『なんで自分はこんなにダメなんだろう』と落ち込んだりもしました。でも、日本とまったく文化の異なる国に来て、生活もサッカーも全然違うなかやってきて、多少のことでは動じなくなりましたね」

 新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るった2020年、塩谷がプレーするUAEも制限付きの日常生活を余儀なくされた。チーム練習は約4カ月間行うことができず、自宅待機の日々。「正直、日本に帰ろうかなとも思った」と明かす。

「UAEは結構規制が厳しかったです。3~4月は街を消毒するから夜間外出禁止、車に乗れる人数も制限がありました。日本は最終的に自己判断で拘束力がないですけど、UAEは罰金とかルール化されている。しかも、細かく変化していくので、それを確認するのは苦労しました。ただ、日本も状況が良くなくて、移動するリスクを考えて帰国せずにUAEに残りました。ありがたいことに、行動範囲が限られるなかでも軽く動けるくらい庭の広さがあったので、自分でトレーニングはしていました。子供のこともあったので、家族は日本に帰っていて、今は単身です」

 未曾有の状況において、塩谷の支えの一つになったのが、広島時代に師事した森保一監督(現・日本代表監督)の教えだった。

「今、自分にできることを精一杯やっていこう」

 チーム練習はオンラインで週2~3回実施されていたが、施設での練習がいつ再開するのか、そもそも再開できるのかさえ分からない不透明な状況。それでも、トレーニングを積むことにフォーカスすることができた。

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