「みんなの幸せを手助けする」 元ブラジル代表MFサンパイオが掲げる今後の“夢”

サンパイオはプロへの登竜門とも言われる大会の運営にも携わった【写真:本人提供】
サンパイオはプロへの登竜門とも言われる大会の運営にも携わった【写真:本人提供】

連盟の顧問やクラブの会長、コメンテーターも経験「できる限り良い形でやりたい」

 大会運営にも携わった。プロへの登竜門とも言われる「コパ・サンパウロ・ジ・ジュニオール」。U-20の重要な全国大会だ。

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 サンパウロ州サッカー連盟の顧問を務めた時期もある。各大会の規則や方式、年間カレンダーの作成、選手の引退後についてなど、様々なことを検討したり、アドバイスをしていた。

 ブラジルのテレビやラジオで、コメンテーターの仕事も経験した。

「中継や番組を追い出されたことはないから、僕の解説もまあ良かったんだろうね(笑)。選手だった経験を生かして、技術的な見方で、どのプレーが良かったか、何が問題を引き起こしているかなど、具体的に伝えようとしていた。難しいけど、僕は自分に強く要求するタイプなんだ。やると決めたら、家の掃除だって、本当に綺麗になるまでって感じで(笑)。なんでもできる限り良い形でやりたいと思って頑張っている」

 2015年からは、サンパウロにあるコメルシアルFCの会長も務めていた。選手の育成をする一方で、サッカーを通した社会事業の役割も果たすクラブだ。

「貧しい家庭や、例えば、親が亡くなったり、刑務所に入っていたり、育児放棄されるなど、困難な状況にある少年たちの社会性を育て、就職までの道筋を付けている。途中からは、経済的には恵まれていても、何らかの理由で不登校になったり、目標を見失った子供たちの育成もするようになった。それで、僕が会長を務めていた時、常時500人近い子供たちを抱えるようになっていた。

 そんなふうに、いつも忙しくて寝る時間がなかった(笑)。でも、『自分のやりたいこと、やるべきこと』という気持ちで取り組めば、いろいろなことが“仕事”ではなくなり、もっと良くやりたいと思えるんだ」

藤原清美

ふじわら・きよみ/2001年にリオデジャネイロへ拠点を移し、スポーツやドキュメンタリー、紀行などの分野で取材活動。特に、サッカーではブラジル代表チームや選手の取材で世界中を飛び回り、日本とブラジル両国のテレビ・執筆などで活躍している。ワールドカップ6大会取材。著書に『セレソン 人生の勝者たち 「最強集団」から学ぶ15の言葉』(ソル・メディア)『感動!ブラジルサッカー』(講談社現代新書)。YouTubeチャンネル『Planeta Kiyomi』も運営中。

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