「ブラジル人Jリーガーの概念を覆した」 元日本代表MFが明かす“現役時代に最も苦労した選手”
FC東京などで活躍した石川直宏氏、元横浜FMのドゥトラは「一番厄介な存在だった」
2000年代以降のJリーグで輝いたサイドアタッカーの1人と言えば、FC東京で16シーズンにわたって活躍した元日本代表MF石川直宏氏だろう。タッチライン際を疾走して対峙した相手を翻弄。数多くのチャンスを演出してきたが、そんなJリーグ史に残るスピードスターも現役時代にマッチアップして苦労した対戦相手がいたという。「Football ZONE Web」のインタビューに応じた石川氏は、元横浜F・マリノスのブラジル人DFドゥトラの名前を挙げている。
石川氏は2000年に横浜FMでトップデビューを果たし、02年にFC東京へと移籍。俊足のサイドアタッカーとして頭角を現わすと、03年にA代表に初選出され、04年にはアテネ五輪に出場した。その後、負傷に悩まされる時期を過ごしたが、09年にはリーグ戦で15ゴールを量産し、初のJリーグベストイレブンに選出された。
17年限りで現役を引退し、18年からはFC東京のクラブコミュニケーターに就任しているが、歴代のJリーグでも屈指と言える圧倒的なスピードを誇った石川氏にとって、現役時代にマッチアップして最も苦戦を強いられた相手選手は一体誰なのか――。そう尋ねると、石川氏は「マリノスのドゥトラだね!」と即答した。
「マリノス在籍2年目で、当時のラザロニ監督がブラジル人を3人連れてきて、そのうちの1人がドゥトラだった。冗談ではなく、容姿がおじさんだった(笑)。でも、実際に練習で対峙してみて、嫌らしさ、運動量、貢献度、テクニックのトータルのレベルが高かった。FC東京に移籍してからも何度かマッチアップして、自分もスピードには自信があったけれど、ドゥトラは間合いがいいのと、ボールを持ち出してスピードに乗る前に止められてしまうタイミングとか、対戦相手として一番厄介な存在だった」
左サイドバック(SB)を主戦場としたドゥトラは、ブラジルの名門サントスにも在籍したキャリアを持ち、2001年に横浜FMに加入した。中心選手として03、04年のリーグ連覇に貢献し、Jリーグベストイレブンにも選出。5年半を過ごした後、ブラジルに帰国するも、12年に横浜FMに復帰し、14年に現役を引退した。