ACミラン・ベルルスコーニ会長の理想は本田のトップ下起用!? インザーギ監督には攻撃的なサッカーを“指令”へ
ミラン会長の“強権発動”はあるのか
元イタリア首相で、ACミラン会長のシルビオ・ベルルスコーニ氏が日本代表MF本田圭佑をトップ下に配置した攻撃的システムの導入を希望していることが明らかになった。イタリア地元紙コリエレ・デロ・スポルトが報じている。
同紙によると、ベルルスコーニ会長はミランの練習場であるミラネッロを訪問してフィリッポ・インザーギ監督に対し、攻撃的なサッカーをピッチ上で披露すること、移籍市場閉幕直前にチェルシーから2年間の期限付きで獲得したFWフェルナンド・トーレスを起用することなどを求める方針だという。
また、同紙はインザーギ監督の構想による基本布陣とベルルスコーニ会長が求める布陣を掲載。
インザーギ監督が志向するのは4‐3‐3で、同紙が掲載した基本布陣にはGKは今季レアル・マドリードから加入したディエゴ・ロペス、4バックはアバテ、アレックス、ボネーラ、デシリオが並ぶ。また、中盤はポーリ、デヨング、ムンタリの3人。3トップは、右ウイングにメネズ、中央に新加入のトーレス、左ウイングにはエルシャラウィが配置されており、本田の名前は入っていない。
一方、ベルルスコーニ会長が求めているとされる布陣は昨季、クラレンス・セードルフ前監督が採用していたものと同じ4‐2‐3‐1システム。GKとDFラインはインザーギ構想と同じだが、ダブルボランチにデヨングとムンタリ。攻撃的MFには右にメネズ、トップ下に本田、左がエルシャラウィで1トップにトーレスが入っている。
本田はアギーレジャパンでもミランと同じ右ウイングに配置されており、9日のベネズエラ戦後には「(代表とミランは)システムも一緒ですし、ポジションも一緒ですから、大きくは違わない。自分が一緒にプレーしている選手の特徴は違いますけど、僕個人が狙っているものに違いはない。監督から求められているところも、そこまで大差ない」と語り、新たな挑戦となる右ウイングでのプレー習得に意欲を燃やしていた。
ただ、現場介入も厭わないベルルスコーニ会長がインザーギ監督に本田のトップ下起用を要望すれば、状況が変わる可能性もある。同会長は果たしてシステム変更を突きつけるのだろうか。またその場合に、現役時代に独自のプレースタイルを貫き、ゴールを量産した指揮官は要求をのむのだろうか。今後のインザーギミランのシステムに注目が集まる。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web