日本との試合は「常に特別だった」 “天敵”ケーヒルが激闘回顧「友好的なライバル関係を築けた」

ドイツW杯の日本戦で得点を決めた元オーストラリア代表FWケーヒル【写真:Getty Images】
ドイツW杯の日本戦で得点を決めた元オーストラリア代表FWケーヒル【写真:Getty Images】

伝説となった2006年W杯の大逆転劇 「あの試合から日本との関係が始まった」

 元オーストラリア代表FWティム・ケーヒル氏は、現在2022年に開催されるカタール・ワールドカップの公式アンバサダーを務めている。今月18日にW杯で使用される4番目の試合会場「アハマド・ビン・アリ・スタジアム」がお披露目されたことを記念して、「Football ZONE web」の取材に応じたケーヒル氏が「最も印象に残っている日本代表戦」を、数々の激闘の中から挙げてくれた。

「最も印象に残っている日本戦だって? ワオ、なんて質問だ(笑)。日本とは様々な場面で、数多くの試合を戦ってきたし、その試合で僕は多くのゴールを決めることができた。様々な思い出が日本戦にはあるけれど、真っ先に頭に浮かんでくるのは2006年ドイツ・ワールドカップで戦った試合だね」

 ケーヒル氏が挙げた一戦は、オーストラリアにとって歴史的なW杯初勝利の試合だ。ジーコ監督が率いていた当時の日本代表はMF中田英寿、MF中村俊輔、MF稲本潤一、MF小野伸二らを擁し、“歴代最強”と称されていたチーム。大会初戦で激突したのは、当時まだオセアニアサッカー連盟に所属し、32年ぶりにW杯の舞台に立ったオーストラリアだった。

 日本が前半に中村のゴールで先制し、1点のリードを保ったまま後半へ。当時26歳だったケーヒル氏は、名将フース・ヒディンク監督によって後半8分に最初の交代カードとして投入された。その後の試合展開は、日本人ファンにとっては苦々しいものだろう。

「あの試合、僕はベンチスタートだった。途中出場し、試合の終盤にゴールを決めることができて、それがオーストラリアにとってのW杯初ゴールだったんだ。さらに、それからすぐに2点目も取ることができた」

 交代カードを切るたびに勢いづくオーストラリアは、後半39分にロングボールのこぼれ球に反応したケーヒル氏が同点ゴールを記録。そして、その5分後には強烈なミドルシュートをGK川口能活が守るゴールに突き刺し、最終的に3-1となった歴史的大逆転の立役者となった。

 ケーヒル氏は「あの試合を境に、日本とティム・ケーヒルの関係が始まったんだと思う。2006年以降、日本とは素晴らしい友好的なライバル関係を築けたと思っている。僕の仕事は点を取ることだったし、日本戦は良い思い出が多いよ」と、自身にとっても日本戦が特別なものになっていたことを明かしている。実際にケーヒル氏は「日本キラー」「日本の天敵」などと呼ばれ、代表を退くまで歴代の日本代表監督を悩ませてきた。

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