エイバル“日本人コンビ”をスペイン人記者が評価 「素晴らしい仕事ぶり」と称えたのは?
AS紙記者を直撃 乾は「他の試合よりプレーに関与する機会が少なかった」
後半開始後もエイバルは流れを維持し、後半11分にDFセルヒオ・ラモスのミスパスをペナルティーエリア内で拾った乾が決定的チャンスを掴んだが、左足のシュートは失敗に終わった。
その後、積極的に攻撃に絡んだ武藤は、同15分にミドルシュート、同26分にキケ・ガルシアのクロスからヘディングシュートを打つが精度を欠いた。また同36分にヘディングで中に折り返したボールがラモスの手に当たるもPKの笛は吹かれなかった。
一方、レアルは後半アディショナルタイムにMFルーカス・バスケスが試合を終わらせるゴールを記録した。エイバルはキケ・ガルシアの得点後、レアル相手に肉薄したが、勝ち点を取ることはできずに1-3で敗れた。
この日、強豪相手に最もシュートを打ったのは武藤と乾だった。武藤はチーム最多の3本、乾は2本のシュートを打っている。その他、ゴールを決めたキケ・ガルシアを含む5選手が1本ずつだった。
積極的にゴールを狙っていった2選手の評価について、スペイン紙「マルカ」は乾、武藤ともに1点(最高3点)、スペイン紙「AS」は乾に1点、武藤に2点(最高3点)をつけている。
また、武藤のヘディングによるラモスのハンドを巡っては試合後に議論となり、メンディリバル監督が「ラモス自身も手に当たったとコメントしていたが、我々はいつハンドの笛が吹かれるのか分からない」と語ると、同様にレアルDFダニエル・カルバハルも「僕たちはハンドの明確な基準が分からない。笛が吹かれるプレーがあれば吹かれないプレーもあるから」と、判定が曖昧であることを指摘した。
一方、ジダン監督は「いつも通り判定について話すつもりはない。主審が笛を吹かなかったのなら、それは彼にとってあのプレーがハンドではなかったからだ」と見解を述べている。
試合後、スペイン紙「AS」でエイバル番のホセ・ガリタオナンディア記者はレアル戦に臨んだ日本人2選手のパフォーマンスについて次のように語ってくれた。
「他の選手同様、2人ともキケ・ガルシアのゴールとともに調子を上げ始めた。0-2の状況の時は、レアル・マドリードがゲームを完全に支配し、エイバルを圧倒的に上回っていたからね。エイバルは姿を消していたし、武藤と乾の姿も他のチームメートと同様に見ることができなかった」と分析した。
乾については、「他の試合に比べて今日はプレーに関与する機会が少なかったと思う。乾らしい抜け目なさを見せるシーンもあったが、決定的チャンスであった左足のシュートを枠に飛ばすことができなかった」と評している。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。