エイバル“日本人コンビ”をスペイン人記者が評価 「素晴らしい仕事ぶり」と称えたのは?
【スペイン発コラム】レアルとの大一番を現地取材 乾&武藤とも積極性を見せる
スペイン1部エイバルは20日、リーガ・エスパニョーラ第14節で強豪レアル・マドリードとホームで対戦。MF乾貴士とFW武藤嘉紀が揃って先発出場を果たした。
試合前の時点でのエイバルの状況は、リーグ戦で2試合連続引き分けていたものの、公式戦6試合、リーグ戦5試合連続で負けておらず勝ち点15で暫定11位。対するレアルは公式戦4連勝と波に乗り、暫定3位であった。
エイバルのホセ・ルイス・メンディリバル監督は、3日前にアウェー開催されたスペイン国王杯1回戦ラシン・リオハ戦(2-0)では10選手を入れ替えて戦力を大幅に落としており、乾と武藤も休ませていたが、このレアル戦で再びレギュラーの選手たちを起用した。DFホセ・アンヘル、DFパウロ・オリヴェイラ、DFロベルト・コレア、FWキケ・ゴンサレス、FWセルジ・エンリクの5選手を怪我、DFエステバン・ブルゴスを出場停止で欠くなか4-4-2で臨み、乾が右サイドハーフ、武藤が2トップの一角でプレーした。
一方、FWエデン・アザールとMFイスコを怪我、FWヴィニシウス・ジュニオールを胃腸炎で欠いたジネディーヌ・ジダン監督率いるレアルは、4-3-3で戦った。
試合開始から1分も経過しないうちに乾がループシュートを放つも、レアルGKティボー・クルトワが難なくキャッチ。その後は試合を掌握したレアルの一方的な展開となり、前半6分にFWカリム・ベンゼマ、同13分にMFルカ・モドリッチが立て続けにゴールを決め、早々に2点差とした。
劣勢に陥りながらも、エイバルは後ろに引くことなく前線から激しいプレスをかけ続け、中盤で奪い返したボールを素早くつなぎ、同28分にFWキケ・ガルシアがペナルティーエリア外からゴール右上隅に鮮やかなシュートを決め1点差に迫った。
この得点により、エイバルは息を吹き返す。それまで守備に追われていた日本人選手たちも徐々に顔を見せ始め、同40分に武藤がMFブライアン・ヒルからのグラウンダークロスをゴール前で合わせたが、相手DFに囲まれながらのシュートだったため枠に飛ばすことはできなかった。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。