浦和時代の長谷部誠と“師弟関係” ドイツ英雄が成功を確信した理由「凄い選手になると…」
監督としての成功にも太鼓判 「良い指導者に求められる条件がすべて備わっている」
長谷部は最初の移籍先だったヴォルフスブルクではブンデスリーガ優勝を経験する一方、不慣れな右サイドバックで起用されることもあった。試合中に守護神が退場となったため、急遽GKをやるように命じられたこともある。
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その後に移籍したニュルンベルクでは2部降格も味わった。2014年から所属しているフランクフルトでは2017-18シーズンにDFBポカール優勝、昨季はチャ・ボムグン氏が持つアジア人選手のブンデスリーガ最多出場試合数の記録を更新。酸いも甘いも経験するなかで、ブンデスリーガを代表する選手の1人となった。同リーグの現役最年長選手となった現在は、3バックの中央でリベロとしてプレーすることが多いが、その実力は同氏の目から見てもまだまだ健在だ。
「今は後ろのポジションでプレーすることが多いが、優れたボランチはディフェンダーのポジションでも良い仕事ができる。それに、今の長谷部は試合を読むことができている。どこで何が起きるかが見えている。それこそが彼の強みであり、彼の今のポジションで求められていることだ」
今季が長谷部にとって現役最後のシーズンになるとの予想が、現地メディアでは大勢を占めている。長谷部自身も現役引退後のことについて言及する機会が最近増えている。ブッフバルト氏に「ドイツで指導者の勉強をすることも検討しているようですが、長谷部は指導者としても成功すると思いますか?」と問うと、同氏は「間違いない」と断言した後で以下のように続けた。
「彼の人柄やこれまでのキャリアを考えれば、指導者としてもきっと成功できる。良い指導者に求められる条件がすべて備わっているからね。選手としての長いキャリアがあり、日本代表でもブンデスリーガでもプレーした。多くの優秀な監督と一緒に仕事をしてきた経験もある。彼らから何かしら引き継ぎ、学んだはずだし、彼らの働きぶりも見て知っているはずだ。そうしたことも指導者をやるうえでプラスに働くだろう」
ブッフバルト氏が現役時代に所属していたシュツットガルトが長谷部のいるチームと対戦する時には、同氏も試合会場に足を運んで試合の前後に長谷部と談笑するなど、両者の繋がりは現在も続いているという。「彼の活躍は、いつだって私にとって良いニュースだ」と話すブッフバルト氏は、キャリアの晩年に差しかかった愛弟子の雄姿を、今もしっかりと見守り続けている。
[取材協力]鈴木良平、小谷泰介