“J最多得点”佐藤寿人、21年間の現役生活に幕 最後まで“寿人節”「ここまで長く第一線で…」

千葉FW佐藤寿人【写真:Getty Images】
千葉FW佐藤寿人【写真:Getty Images】

Jリーグ最多220得点の佐藤寿人が現役を引退 後半から途中出場

 ジェフユナイテッド千葉の元日本代表FW佐藤寿人が20日、J2リーグ最終節ギラヴァンツ北九州戦(2-1)で現役を引退した。この日はベンチスタートとなったなか、後半38分から途中出場。試合後には引退セレモニーを行い、21年間の現役生活に幕を閉じた。

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 ジェフユナイテッド市原(当時)の下部組織で育ち、2000年にトップ昇格を果たした佐藤は、02年セレッソ大阪、03年ベガルタ仙台を経て、05年から広島に移籍。16年まで在籍し、現在日本代表を率いる森保一監督が指揮を執っていた12年、13年、15年にはJ1制覇を成し遂げた。17年に名古屋グランパスへ、19年から古巣の千葉に復帰。歴代2位のJ1通算161得点、歴代最多のJリーグ通算220得点、J2と合わせて12年連続2桁得点を達成し、08年にはJ2で、12年にはJ1で得点王を掴み取った。

 日本を代表するストライカーの佐藤は、引退試合となった北九州戦でベンチスタート。ベンチから見守っていた1-1の後半8分、FW船山貴之のシュートはバーをはじくもこぼれ球をダイレクトでMF髙橋壱晟が決めて勝ち越しに成功した。佐藤もベンチを飛び出して喜んだ一発に、髙橋はコーナーフラッグまで走って佐藤のゴールセレブレーションを披露。引退を決めた佐藤へ贈る一撃となった。

 出番が回ってきたのは後半38分。DF下平匠から主将マークを託され、拍手に包まれながらピッチに入った。同43分には右サイドからふわりとしたクロスを入れてFW川又堅碁のシュートを演出。逆転勝利の笛を聞くと、村上主審から試合球を受け取った。

 引退セレモニーでは半袖姿にピッチに再登場。この日ラストマッチとなった、DF増嶋竜也、MF田坂祐介とともにスピーチした。

「最終戦チームメートの頑張りもあって勝利という形で3人を送り出す形を取ってくれた仲間に感謝したい。改めて21年間のキャリアを振り返ってみると、人に恵まれたサッカー選手の時間だった。特別、身体能力に恵まれたわけでもなく、特別な技術があるわけでもない自分がここまで長く第一線でプレーすることができたのは本当に素晴らしい指導者に巡り合うことができ、素晴らしい仲間と切磋琢磨することができたから。これまで多くの場所で多くのチームでプレーする機会をいただいた。いろんなご縁をいただき、たくさんの声援をもらい、ゴールを目指して多くのゴールを決めて、勝利の瞬間をともに分かち合う瞬間を迎えられた幸せな21年間だった。そして、丈夫な体に生んでくれた両親に感謝したい。ありがとう。最後になりますが、サッカーを愛するみなさん、これからもかわらずサッカーを愛して下さい! 21年間ありがとうございました」

 Jリーグで一番ゴールを決めた偉大なストライカー。最後まで佐藤らしく、周囲を明るくし、21年間の現役生活に幕を閉じた。

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