C大阪キム・ジンヒョン、クラブ一筋12年の背景 成長への原点となった名将クルピの教え
恩師に師事した日々を回想 「すぐ先のことを見るのではなく…」
韓国の大学を卒業後、2009年にC大阪へ加入。日本でプロの扉を叩くと、めきめきと成長を遂げ、大半のシーズンで正守護神の座を守り抜いた。今では不動の地位を確立。誰もが信頼を寄せるベテランGKは、自らの成長を後押ししてくれた人物への感謝の気持ちを忘れない。
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「自分を強くしてくれたのはレヴィー。レヴィー・クルピさんが強くしてくれました」
C大阪を3度(1997年、2007–11、12-13)指揮したブラジル人指揮官は、クラブの成績を上昇させ、香川真司(無所属)や乾貴士(エイバル)らを育て上げた一方、どんなに才能がある選手だろうとミスを犯せば厳しく接した。
キム・ジンヒョンも例外ではなかった。練習でムラのあるプレーを見せれば、指揮官の口から容赦なく厳しい言葉が飛ぶ。「若い時、しょうもないミスが多かったので、例えばボールを弾く時にしても『もっとこうして弾け』とか、うるさく言われましたね」。クルピ氏の目に、当時のキム・ジンヒョンは心身とも未熟に映っていた。ただ、それでも試合で起用し続け、力をつけていった。クルピ氏に師事した日々を振り返り、キム・ジンヒョンは改めて言う。
「すぐ先のことを見るんじゃなくて、1年後とか、もっと未来を見越してそういう言い方をしていたんじゃないかなと思いますね。本当はもっと厳しく言っていたと思うけれど……、その時の通訳さんが優しい言い方をしてくれていたと思う。そのくらい厳しく育ててくれました」
自らの成長を促してくれたのがクルピ氏ならば、今季を率いたミゲル・アンヘル・ロティーナ監督はこれまでに培った実力を引き出させてくれる存在だという。リーガ・エスパニョーラで長年の指導キャリアを誇るスペイン人監督の凄みを尋ねてみると、キム・ジンヒョンは「芯の強さ」を挙げた。たとえ負け込んでも、気持ちの面で一切ブレを見せない。それは、これまで見てきた指導者と比べても大きな違いの一つだそうだ。
「連敗すると悔しいのに、そういう姿も滅多に見せない。それはチームのためであり、選手のモチベーションを考えてのことだと思います。そのあたりを見ても、今まで何十年も監督やってきた人だな、見る目は違うんだなと思います」