広州恒大を完封した“笑顔の守護神”西川が王者奪還に燃える 「新たな歴史をつくる」
アジア王者に立ちはだかった大きな壁
日本を代表するGKとしての実力を見せつける完封劇だった。浦和の日本代表GK西川周作は、5日のAFCチャンピオンズリーグ第4節の広州恒大(中国)戦で、昨季のアジア王者の前に大きな壁として立ちはだかり、1-0の完封勝利に大きく貢献した。
「個人としてもメンタル的に落ち着いて入れた」という西川に、広州の外国人軍団が襲い掛かった。特に後半は、まず開始2分にMFリカルド・グラルのヒールパスからMFパウリーニョがトーキックで狙ってきた。これはゴールポストを直撃して難を逃れた。続く同11分には、FWジャクソン・マルティネスのラストパスに再びMFパウリーニョが飛び込み、1対1のピンチを迎えた。ここでも西川が落ち着いてシュートコースを消し、シュートは枠を外れた。
特筆すべきは、どちらの場面でも西川が最後まで先に動くことなく、相手がシュートするその瞬間まで自然体で構えていたことだ。
「先に動かなければ、何かが起こるんじゃないかということですね。(GKコーチの土田)尚史さんともいつも取り組んでいるんですが、体に当たらなくてもプレッシャーになって外してくれることもあります。1対1の場面では、先に倒れたら終わりでした。タカ(関根)も体を当ててくれていましたけど、気持ちの中に余裕は持ちながら冷静に対応はできたと思います。先に倒れていたら、間違いなく決められていたと思います」
パウリーニョは、最初の場面ではタイミングを外したトゥーキック、続く場面では体勢を崩しながらも西川の動きを最後まで見極めてシュートを放とうとしていたように、ブラジル人選手はゴール前でギリギリの駆け引きを仕掛けてくる。西川が話したように、しびれを切らして飛び込むようなプレーをすれば思うつぼで、簡単に寝転がった体の上を超えたシュートを決められてしまっただろう。最後まで西川が待ったことで、逆にパウリーニョはシュートを打ちやすいタイミングを逸してしまった。