J1で物議の「PK取り消し」を識者解説 混乱を防ぐ“マネジメント能力”の必要性が浮き彫りに
判定変更によって試合は荒れることに…「できることはあったのではないか」
判定後の再開方法として横浜FCのドロップボールとなったことは正しかったものの、一連の流れは現場に大きな混乱を招いてしまった。事象のすぐ後には、シャビエルが精彩を欠き、横浜FCのDF袴田裕太郎を蹴ってしまい退場処分になっている。
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廣嶋氏は、このような状況を防ぐために、審判団に「できることはあったのではないか」と指摘。「協力的に話せる選手に説明する」ことを方法として挙げている。この試合では名古屋のキャプテンを務めるDF丸山祐市が非常に紳士的な対応をしていただけに、審判団がもう少し時間をかけて説明できていれば、落ち着いたゲーム展開にすることも可能だったのではないかと廣嶋氏は推測している。
Jリーグ副理事長の原博実氏が「判定を変えたのは大きな決断」と番組内で話していたとおり、今回の出来事は反響が大きかった。そこで浮き彫りとなったのは、試合を上手くコントロールするうえで必要とされる、レフェリーの「マネジメント能力」だ。一定の判定基準を持ち、正確に試合を裁くことは大前提として、様々なシチュエーションへの対応能力もレフェリーには求められ、今回のような場合には重要性がよりクローズアップされることになる。
今回の事象は、判定がどちらに転んだとしても、いずれかのチームに不満が残ってしまうことは避けられない。そこで求められるのは、生まれた不満を受け止めながら、一つの試合としてどうまとめていくか。決して簡単なことではないが、審判団の“対応力”はリーグとしての向上を図るうえでも重要なファクターとなっていくはずだ。