VARに翻弄された神戸、ACL4強で惜敗 山口蛍は気丈「蔚山のほうが強かったということ」
神戸の追加点が取り消され、蔚山の同点弾がVARで認定 先制弾の山口「胸を張って帰りたい」
ヴィッセル神戸は13日にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝で蔚山現代(韓国)と対戦し、延長戦にもつれ込んだ死闘の末に1-2で敗れた。先制ゴールを決めた神戸のMF山口蛍は、悔しさを噛み締めつつも「ここまで来られたことに対して誇りを持っていい」と話した。
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神戸は決勝トーナメント1回戦で、元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタが負傷。準々決勝の水原三星(韓国)戦でのPK戦で負傷を悪化させ、今回の準決勝ではメンバー外になった。それでも神戸は後半7分、CKをマイナス方向に低く蹴り込むと、そこに走り込んだ山口が抑えの利いた右足シュートを放ち先制した。
しかし、ここから神戸には難しい状況が続いた。同30分、敵陣でボールを奪ったところからのショートカウンターで途中出場のFW佐々木大樹が追加点を奪ったかに見えたが、ボールを奪った時点でMF安井拓也のファウルがあったとビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が進言し、主審が映像確認をしたうえでゴールが取り消された。
VARは得点や退場など試合に大きな影響を与える明らかなミスジャッジを防ぐためのものだが、この安井のプレーはファウルと判定するレフェリーもいるかもしれないが、ノーファウルとするレフェリーも多くいるであろうもの。誰が見ても明らかなファウルを見逃したミスジャッジと断じるには無理があり、疑問の残る運用になった。
そして同37分に蔚山の攻撃で生まれたゴールは、一度は副審がオフサイドの旗を上げたものの、VARのチェックによりオフサイドはなかったとして得点が認められた。神戸から見れば、VARに振り回される形になった。そして延長後半、ビッグセーブを続けていたGK前川黛也のミスからPKを献上し、これを決められて敗戦した。
難しい敗戦になったが、日本代表としてもアジアの試合を何度も経験してきた山口は「単純に僕たちより蔚山のほうが強かったということだと思う」と、潔く敗戦を認めた。そして「今持っている力をすべて出したと思うので、ここまで来られたことに対して誇りを持っていい」と、昨季のクラブ初タイトルとなった天皇杯優勝から初出場でここまで勝ち残ったチームの戦いを言葉にした。
神戸は帰国した後、リーグ戦がもう1試合残っている。山口は「遠い日本から応援してくれたのに結果を出せなくて申し訳ないが、帰ってからリーグ戦もまだあるので、最後は良い姿を見せられるように、胸を張って帰りたい」と、今季の締めくくりへの思いを語った。